こともなし

雨。昧爽起床。
昨晩『精神現象学』を読んで寝たせいか、悪夢を見る。目覚めてまだ恐怖が残っていた。
そういえばヘーゲル肖像画ってひどい顔だったのを思い出す。

モーツァルト弦楽四重奏曲第二十番 K.499 で、演奏はクレンケ四重奏団(NMLCD)。■ハイドン交響曲第八十五番 Hob.I:85 で、指揮はエルネスト・アンセルメ、スイス・ロマンド管弦楽団NMLCD)。■ドビュッシーの「ボヘミア舞曲」、「スティリー風タランテッラ」、「二つのアラベスク」、「夢想」、「バラード」で、ピアノはブルーノ・カニーノ(NML)。

シューベルトのピアノ・ソナタ第二十一番 D960 で、ピアノはファブリツィオ・シオヴェッタ(NMLCD)。あまりにもピュアなピアニストの精神で、わたしのような心の濁った者にはちょっと退屈に感じるくらいである。しかしそれはわたしが悪いので、こんなに心のきれいなピアニストは滅多にいない。すばらしいというべきだろう。ところで、わたしはこの曲の終楽章が好きではなく、それまでの三楽章の感興が一気に削がれる感じがする。駄作とまではいわないが、前三楽章とはだいぶちがった音楽で、違和感を感じずにはいない。このピアニストでもそれは変わらなかった。いっそ、終楽章は演奏しないでもらいたいくらいである。


ずっとぼーっとしていた。
眠い。

メシアンの「天と地の歌」で、ソプラノは奈良ゆみ、ピアノはジェイ・ゴットリーブ(NMLCD)。■武満徹の「カトレーン」で、演奏はタッシ、指揮は小澤征爾ボストン交響楽団NML)。本当にすばらしい。武満を聴いていると、このわたしの小さな部屋が宇宙になる。武満の音楽は世界そのものに繋がっている。これこそ唯物論的な音楽ともいえるだろう。

武満徹:カトレーン

武満徹:カトレーン