こともなし

曇。寒い。
 
生姜シロップのお湯割を飲んでぼーっとする。
ぼーっとして頭がふわふわしているな。
 
母診察。
 
昼。
我々が向き合うべきは、日本の没落ではない、我々日本人の崩壊・没落である。そこをまちがえてはいけないにゃんこ。ぼくたちはバカだよ〜〜ん。
アメリカ、イギリス軍がイエメンのフーシ派を攻撃。イランがアメリカに対抗措置を取る。レバノンも含め、パレスチナ紛争は広域化している。その中で、南アフリカ国際司法裁判所に、ジェノサイドの罪でイスラエルを提訴、審理が始まった。裁判には数年かかる見込み。)
 
銀行ATM から、能登半島地震災害義援金参照)を少額振り込む。石川県の用意した口座へ銀行振込したが、本当は県がクレジットカードその他で送金可能なシステムを、すぐに構築できるとよかったのだが。まあ、日本はそういう DX 後進国だから、しかたないか。
 
 
ネットで期間延長しようと思っていたのだが、予約が入っていて返却せねばならない本があったので、県図書館へ行く。閉架の、岩田慶治『死をふくむ風景』(2000)、岡真理『ガザに地下鉄が走る日』(2018)を借りる。あとは、ユングセミナー記録『パウリの夢』(邦訳2021)、文庫本で亀山郁夫『終末と革命のロシア・ルネサンス』(文庫版2009)、奥野克巳『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(文庫版2023)など。ちなみに、パウリは20世紀を代表する物理学者のひとりで、ユングとの共著がある。
 
遅くなったがコーヒーが飲みたかったので、ミスタードーナツ バロー市橋ショップにて。ザクザクカスタードフレンチ+ブレンドコーヒー484円。先ほど借りた、岡真理『ガザに地下鉄が走る日』を読み始める。パレスチナ問題を、まぎれもない人文学者の目で、つまり(システムからでなく)ひとりの人間として見たもの。例えば、システム(国家や国境)がいかに簡単に人を殺すか。
 それにしても、民族浄化エスニック・クレンジング)とは、すさまじい言葉だな、とあらためて思う。いったい、何を清掃・浄化するというのか。そして、いまのパレスチナ紛争も、この言葉がまさにぴったりだ。決して、イスラエル自衛権、なんてのに留まるものではないし、いまに始まったことでもない。
 
時雨れる。車中で平均律クラヴィーア曲集を聴きながら帰る。
 

 
夜。
iPad miniシューマンのピアノ協奏曲を聴く。ピアノはクラウディオ・アラウ、指揮はコリン・デイヴィス、ボストン響(NML)。1980年の録音。
 
【FMエアチェック】これがモーツァルトの精髄だ NHK-FM 吉田秀和 1987年4月5日放送 - YouTube
NHK-FM の「名曲のたのしみ」からの、拡大版(103分)。つかれたー。寝ころがって iPad mini で聴いたのだが、吉田秀和さんの耳になってモーツァルトの精髄を聴くというのが、こんなに大変だとは。やはり、吉田さんは不世出の音楽評論家だったな、代わりがいない。聴いているとわかるが、吉田さんはあるひとつの方向にとりわけ突出しているのだけれど、それをうまく言い表わす言葉がない。モーツァルトでも、わたしの聴いている仕方とは、随分とちがう。それは特に、ハ短調ミサの演奏で感じた。たぶんわたしならカラヤンの耽美的な録音は選ばないと思う。例えばガーディナーの、ドラマティックなそれとかを、選ぶような気がする。何にせよ、吉田さんが突出している方向では、とても追いつけないなと思った。
 蛇足だが、吉田秀和さんの精神形成を考えるのに、中原中也の存在は欠かせないと思う。詩人との邂逅が、決定的だった。