こともなし

曇のち雨。
 
NML で音楽を聴く。■バッハのパルティータ第六番 BWV830 で、ピアノはシュ・シャオメイ(NML)。このレヴェルのバッハはめったにない。■ショスタコーヴィチピアノ三重奏曲第二番 op.67 で、演奏はベコヴァ・シスターズ(NML)。よい。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第四番 op.58 で、ピアノはヴィルヘルム・バックハウス、指揮はカール・ベームウィーン・フィルハーモニー管弦楽団NML)。これはどういう出の録音なのだろうか。デジタル処理されているのが明らかなモノラルで、たぶんスタジオ録音だ。音質はこういうものにしてはよい、バックハウスの美しい音が充分堪能できるし、オケも生々しい。何よりバックハウスベームも気力が充実しており、全盛期の演奏かとも思う。既発売の著作権切れ? カデンツァは聴いたことのない、オリジナル、バックハウスの即興か。といろいろこだわるのも、これが感涙を禁じ得ない名演だからである。まさにマエストロたちの共演、我々がいかに断片的に壊れてしまったかがよくわかる。これぞベートーヴェンという、いまでは決して誰にも不可能な演奏だ。

 
 
昼。曇。
ごろごろする。
 
イオンモール各務原。日差しの仰角が低くなり、3F フードコートによく光が入ってくるようになった。明るい。
ミスタードーナツ、ミックスベリージャム+ブレンドコーヒー462円。カロリーの低い「もっちりフルーツスティック」を食う予定だったのだが、今日はありませんでした笑。
 スタニスワフ・レム『完全な真空』(原著1971、邦訳文庫版2020)を読み始める。存在しない書物たちについての書評集という、まったく意味のない本、という形での「短篇小説」集というわけだな。小説は何でも許容する。意味がない本は楽しいが、わたしにはちょっと程度が高く、100ページほど読んで疲れてしまった。なお、本書のレム自身による書評(!)も含まれており、これは唯一(?)実際に存在する本についての書評である。って知的な遊びだよねー。
 
1F Joshin に寄り、車のキー用のボタン電池を買う。いま、ここのイオンモールは開店16周年ということで、大幅なリニューアルをやっている。立体駐車場も建設中だしな、ホントよく人が入っているよ、ここは。
 
 
図書館から借りてきた、吉原真里『親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』(2022)を読む。三分の一ほど読み、あとはところどころ拾い読みして終了。決してつまらない本ではないと思うが、どうも文章が合わなかったようだ。バーンスタインと、日本人ふたり、ひとりは女性のバーンスタイン崇拝者で、ひとりはバーンスタインの同性愛の恋人の話が軸となっている。もともと英語で出版されたのを、著者自身が日本語で書き直したものらしい。いかにも翻訳のような文章だなと感じていたので、これは納得。 

 
夜。
坂本龍一『async』(2017)を聴く。このアルバムはこれまで三回聴いただけらしい。
静かな曲ばかりだが、圧倒される。どの曲も非常に遠くから発しており、その出所(でどころ)がわからなかった。やわらかくて、どこか甘美な感じ。
それにしても、前にも書いたが、坂本龍一は常に世界的な音楽シーンの真っ直中にいながら、消費されてしまうことなく、決して枯渇することがなかった。旧套を墨守せず、アルバムのたびにいつも新しいことをやっていた。それに驚かされる。いまさらわたしなどがいうまでもないが、飛び抜けた才能だったな。
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