石田英敬&東浩紀『新記号論』

昧爽起床。

NML で音楽を聴く。■バッハのバッハのトリオ・ソナタ第六番 BWV530 で、オルガンはベンヤミン・リゲッティ(NMLCD)。■ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第一番 op.5-1 で、チェロはヤーノシュ・シュタルケル、ピアノはジェルジ・シェベーク(NML)。

Beethoven: Sonatas for Cello & Piano

Beethoven: Sonatas for Cello & Piano

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第二番 op.19 で、ピアノはマリア・ジョアン・ピリス、指揮はベルナルト・ハイティンクロンドン交響楽団NML)。ピリスには納得がいかない。特に第一楽章など、寝ぼけた dull な演奏。この曲は若々しくも潑溂とした、フレッシュな曲ですよ。ピリス(とハイティンク)の名前で釣るアルバムなのだから、これはよくないと思う。

 
晴。

大垣。
ミスタードーナツ大垣ショップ。クリームイン・マフィン キャラメルアーモンド+ブレンドコーヒー386円。一時間ぶっ通して『ぼくの伯父さん』の続きを読む。おもしろいおもしろい。どんどん読める。こちたい感想など書く気が起きない。コーヒー三杯を飲み、三章読んだところで止めにする。興が乗ってくると速く読みすぎるのはまったくわたしのよくない癖だ。

帰りに県図書館に寄る。市の図書館も悪くないが、県図書館で本を探したり選んでいるときは楽しい。さすがに県の図書館なので、本屋や市の図書館などでは思いもよらない本がそこいらに転がっている。まあ、わたしの行きつけの本屋だって決して悪くないのだけれどね。本の環境は、わたしのそれは決して悪くない。恵まれていると思う。大都市を羨むまい、田舎でこれなら上出来だ。

珈琲工房ひぐち北一色店にて昼食。オムカレーセット900円。満足。もちろんコーヒーもおいしい(また飲んでる)。さらに『ぼくの伯父さん』をもう一章読んでいい加減にしておく。

ぼくの伯父さん: 長谷川四郎物語

ぼくの伯父さん: 長谷川四郎物語

 

■ペルトの「スターバト・マーテル(ソプラノ、カウンターテノー、テノールと弦楽三重奏版)」で、指揮はクライン・クーツフェルト、レ・ヌオーヴェ・ムジケ(NMLCD)。ペルトは僕には結構微妙だな。少なくとも、現代音楽だとはまったく思わない。だからいけないとかいうわけではないが。きれいな音楽なのだけれどね。■メシアンの「鳥のカタログ」 ~ No.10 Le Merle de roche で、ピアノはチーロ・ロンゴバルディ(NMLCD)。■メシアンの「われ死者の復活を待ち望む」で、指揮はピエール・ブーレーズクリーヴランド管弦楽団NMLCD)。■バーバーの「遠足」 op.20 で、ピアノはレオン・マッコウリー(NML)。なかなかおもしろい。

Barber;Music for Solo Piano

Barber;Music for Solo Piano

 
内田樹氏のブログを読んでいて、30年前平成が始まったとき、世界が、日本が、こんな(ひどい)風になっているとは予想していなかった、どうして予想はここまで外れたのかというようなことが書いてあった。内田氏は30年後、日本は世界一の金持ち国の地位を謳歌していると思っていたそうである。わたしはそれはまあどうでもよいが、平成が始まったとき、時代はバブルでありわたしは学生であった。そして当時自分のまわりの同時代の人間たちを見ていて、さていまの日本は決して意外なものではないというのが現在の偽らざる感想である。わたしは別に大した人間ではないが、そのことに関してはあるいは先見の明があったといってよいかも知れない。そしてこれまでやってきた仕事によっていまの若い人たちの自分なりの像ももっているが、それもまた決して楽観できるものではない。わたしはいまの他のある種の大人たちのように、いたずらにいまの若い人たちを賛美しようとは思わない。ただ、我々よりマシかといえば、まあそうかも知れないとは思う。いずれにせよ、わたしはこれから若い人たちのやることにあまり興味はない、好きにやったらよいし、彼ら彼女らは当然そうするであろうと思っている。それよりもわたしは自分勝手にわたし自身のことが重要で、ある程度わかっていつつ何もできなかった無力に、そう、これもある程度の落とし前だけはつけておきたい気持ちだ。まあ、他人にはどうでもよいことながら。

ちなみに、わたしはいまの日本が失ったものについて、世界における経済的地位などいうものはその失った最大のものなどではないと思っている。さて、では我々は何を失ったのか。まあしかし、そんなことは時代遅れの人間の繰り言であり、もはや客観的にはどうでもよいものなのであるが。であるから、あるいはいまを謳歌する人たちに、失われたものなどない、といってもよい。なーんだ、そんなことか、であるな。


石田英敬東浩紀『新記号論』読了。

新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)

新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)