こともなし

晴。

起きてネットニュースを覗くと、昨晩のセネガル戦の記事がたくさんあって、世界から「とてもおもしろい試合」「今大会のこれまでのベストマッチ」と賞賛されているそれが結構あった。まったく同感(って日本戦しか見ていないが)なのでうれしい。最初はセネガルが圧倒していて、これは到底かなわないかと思ってみていたのだが、そのうち日本もすばらしいパフォーマンスを見せるようになって、じつにスリリングだった。点も取り合ってね。追いつく展開というのはシビレル。日本代表は先行されても諦めず、いい集中力だった。僕はサッカーはよく知らないけれど、こんな試合はあまり見たことがないですね。こういうのを見せられるとサッカーって興奮させられるなと思う。

皮膚科。帯状疱疹は経過良好とのこと。もうガーゼも付けなくていいよといわれる。飲み薬が大事なんだって。何でもまだ若いから免疫がよく働いているといわれたけれど、もう全然若くないのですが。若く見えるだけで、先生(女医さんである)より齢くってますよ。まあとにかくひどくならなくてよかった。かゆくてうーんなのはかなわないのですが。

昼過ぎから夕方まで寝てしまう。昨晩遅かったからな。いや、怠惰ですねえ。

NML で音楽を聴く。■作曲者不詳の「ガリアルダ」、パーセルの「アテネのタイモン」〜シャコンヌ ト短調ダウランドの「憂鬱なガリアード」、ジョン・ブルの「ガリアルダ」、作曲者不詳の「ウィンクフィールド奥様(16世紀)」、パーセルのレッスン選集組曲第一番ト長調、バードの「私のネヴァル夫人の曲集」で、ピアノはアントン・バタゴフ(NML)。ちょっと「音楽史」のジャンルも聴いてみようかなと。パーセルやバードいいね。

An Evening Hymn

An Evening Hymn

ヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタで、ヴァイオリンはヨゼフ・スーク、ピアノはヤン・パネンカ(NMLCD)。ヤナーチェクってのはおもしろいな。民族音楽っぽいのだけれど、モダンでもあるし、単純にして巨大。そしてきわめて独創的。東欧ってのは自分はあまり知らないのだが、これからに役立つヒントがいっぱいに詰まった場所だと思う。■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第六番 op.10-2 で、ピアノはヴィルヘルム・ケンプNMLCD)。チャーミングな曲だなあ。ケンプはミスタッチをそのままにしているところがおおらかで時代を感じる。しかしケンプのこのベートーヴェン全集、きっと再評価されないといけない筈である。

ベートーヴェンは「マジメなだけで大したことのない、つまらない作曲家」説はよくあって、例えば山口昌男さんなんかがそれだった。山口さんはモーツァルトだからね。まあそうなのだろうが、僕にとってはベートーヴェンはロック・スターみたいなもので、その音楽はとにかくカッコいいのだ。ロマン派の音楽家たちも、「ベートーヴェンかっこいい!」でやられて、皆んなマネしたわけです。僕はそんなにつまらないとは思わないのだけれどね。というかすごいとおもうのだが、それはいまや音楽がわからない証拠かも知れない。ヴォーカロイドとかアニソン(ってよく知らないが)とか言っている方がいまですかね。

ドビュッシーの「ベルガマスク組曲」で、ピアノはタマーシュ・ヴァーシャーリNML)。これ、なかなかいいんじゃない? ところでこの「パスピエ」の冒頭だけれど、これ楽譜どおりですか。何かびっくりしたのですけれど。

ドビュッシー:ピアノ作品集

ドビュッシー:ピアノ作品集

ドビュッシーの「ピアノのために」、「スティリー風タランテッラ」、「二つのアラベスク」、「レントよりもおそく」、「喜びの島」、「仮面」で、ピアノはタマーシュ・ヴァーシャーリNML)。いやあ、ヴァーシャーリドビュッシー、すばらしいではないですか。じつはヴァーシャーリってよく知らなかったのだけれど、ちょっと「喜びの島」とか「仮面」とか、聴いてみて下さいよ。「印象派」風のドビュッシーではなくて、むしろきわめて明晰で、じつに美しい現代的ピアニズムだ。これらむずかしい曲でも技巧も完璧。へー、こんなピアニストがいたのですね。知らぬことが多いなあ。驚かされる。それから「スティリー風タランテッラ」って初めて聴いたけれど、おもしろい曲じゃないですか。何でこれまで知らなかったのかな。

ヴァーシャーリって高齢だけれどまだ御存命で、指揮もやっておられるのですね。録音もたくさんあって、NML にも結構入っている。うーん、知らなかった。


全然本を読んでいない。自分は本なしでもいられる人だなあと思う。たぶん、音楽もなくて生きられるし。ネットは? さて、どうだろう。というか、いまやネットはもはやリアル世界だよね。id:hagex 氏が殺されたのも、ネットが既にリアル世界だからだということと関係があるのだろう。ネット上でバカとかクソとかゴミとかカスとかパヨク死ねとか朝日死ねとか言うのも、リアル世界で言うのと近くなってきた。だから、自分に現実として返ってくることをわきまえておかないといけないのだと思う。

しかし、id:hagex 氏殺害のネットでの反応が激しすぎる。まったく、皆んなネットにあまりにもどっぷり浸かっているのだな。自分は関心がないわけではないが、とてもついていけない。それに、殺される必要なんてもちろんまったくなかったわけだが、というかそういう問題ではないのだが、少なくとも自分には、id:hagex 氏のやっていたことはあまりいい気持ちがしないのだけれど。まあ、これこそがネットだとは思うが。それに、あれにまとわりついていたはてブたちが嫌だ。ちょっと勘弁してほしいのだが。というか、はてブってホントにひどいツールだと思っている。あまり関わりあいになりたくない感じ。それから、ブロガーってのも嫌。時々鼻をつまんでウォッチするけれど。

ネットは地獄の蓋を開けたな。人間というのが生きる価値のない、ひどい存在であることを完全に可視化したと思う。何の希望もない。