日曜日。晴。
めずらしく母の風邪が長引いている。さすがに年齢のせいもあるかも知れない。
中華「龍園」にて昼食。そのあとスーパーで、母用のポカリスエット、バナナ、プリンなどを買う。
風呂掃除。
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関川夏央『中年シングル生活』読了。一見エッセイ集風。わびしい中年の一人暮らしの様子が描かれていて、おもしろくてつい先のページをめくってしまうが、段々ウンザリしてくる。リラダンではないが、人生など召使に任せておきたくなるのだ。てな感じでアンビバレントな読書を終えたのだが、阿川佐和子との文庫あとがき対談を読んだところ、これらはフィクションだと云うではないか。感心したね。それでこそ関川夏央だろう。もちろんフィクションというのは言い訳だとか、カモフラージュだとかいう見方もできようし、それがまったく当っていないこともないだろうが、フィクションとした方が絶対におもしろいと思う。文学って意地悪でいいなあ。
それから、ところどころに挟まれる実名の文学者の話は、以上を措いても感銘を受ける。特に明治の文学者たちのエピソードは関川夏央のお家芸だが、いつもどおりじつに素晴らしい。漱石は四〇代で死んでいるのだな。斎藤緑雨の死に関して僕の好きな露伴が出てくるところなど、絶品だった。
- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
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しかし、著者も憤っていることだが、中央の人間はどうしてこう事実を知らないのかね。で、思い込みで田舎を生体手術にかけようとする。とにかく、事実を知らない奴は人の邪魔をするな。それだけは言いたい。そしてこれははっきり言っておくが、田舎がなくなったら都会も終わりですよ。それがわからない人は、勉強不足です。若い人たちでも、僕らの世代よりものを考え、行動する人は多い。それは頼もしい感じだ。馬鹿なおっさんたちが邪魔をしてはいけない。
翻って自分のところのことを考えると、市街化区域になって集落の人口が増えているくらいだから、本書の議論には当てはまらない。こういうところは、どういうスタンスであるべきなのか。これは宿題だと思った。我ながら、自分たちの事実をまだよく知っていないのだと思う。引きこもり的書斎派なのだから、それぐらいは何とかしないとなあ。
- 作者: 小田切徳美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/20
- メディア: 新書
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夕食のカレー鍋を作る。といっても市販のスープを鍋に入れて、材料を放り込むだけ。肉は母の指示で、軽く焼いてから入れる。母の調子はまだよくない。結局先に休み、僕は父と食べる。食後の後片付け。父が何もしないので、「オジイを甘やかしたのが」などと母が怒っていた。ガスコンロの火をつけることも出来ないからね。ましてや皿洗いなど、したことがあるのか? ま、仕方がないね。
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音楽を聴く。■シューマン:ピアノ協奏曲op.54(アルゲリッチ、アレクサンドル・ヴェデルニコフ)。ルガーノ音楽祭の、アルゲリッチの協奏曲を集めたBOX。まず大好きな、シューマンのピアノ協奏曲から聴いてみた。第一楽章はかなり崩した演奏。自分の好みとしては、ポリーニやリヒテルのように、構造もきちんとしていますよという演奏を選んできたが、現在のアルゲリッチの魅力に誰が抗し得よう。出たとこ勝負の緊張感が心地よい。とりわけ、聴きどころのカデンツァが最高にファンタジックで、魔法にかけられてしまう。つなぎ的な緩徐楽章も美しいし、終楽章はといえば、この曲最高の演奏のひとつだろう。これはオーソドックスな名演でもあり、細部の魔術もただ聴き惚れる。最終部などは本当に感動してしまった。今、アルゲリッチ以上の魔術師はいないと確信する。指揮のヴェデルニコフも第一楽章こそ苦労しているようだが、充分に好サポート。現実のリサイタルだったら堪らなかっただろうなあ。
それから、アルゲリッチのソロも聴きたいという人が結構いるが、もちろん気持ちはわかるけれども、アルゲリッチは共演者がいた方がテンションが高い。それに、ソロでは自由すぎて自分で持て余し気味のところが時にあるが、共演者がいる場合は却ってのびのび弾けるかのようだ。こういうタイプの音楽家なのだと思う。
- アーティスト: Martha Argerich
- 出版社/メーカー: Deutsche Grammophon
- 発売日: 2012/10/30
- メディア: CD
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