内田樹『昭和のエートス』

晴。
音楽を聴く。■モーツァルト弦楽四重奏曲第十四番K.387(カザルスQ)。モダン楽器によるモーツァルトだと思うのだが、「思う」というのは、オリジナル楽器の奏法を大幅に取り入れているらしいからである。ところどころ、オリジナル楽器によるのかと感じてしまうほどだ。であるから、とても上品で美しい。しかし、せっかくモダン楽器なのだから、もっとノイズを乗せて、「野蛮」に弾いてくれてもよかったとも思う。上品すぎて、もの足りないかな。贅沢な注文だろうか。断っておくと、演奏のレヴェルは高いです。

Mozart: Quartets Dedicated to

Mozart: Quartets Dedicated to

ドビュッシー夜想曲ラヴェル:ダフニスとクロエ、亡き王女のためのパヴァーヌスクリャービン:法悦の詩op.54(アバド)。アバドは安心して聴けるのだが、どうももの足りないところがあるな。これでなければという、強烈な魅力はないか。といっても、スクリャービンでボストン響をここまで美しく鳴らせるのだから、やはり凡手ではない。この美しさには脱帽。
Nocturnes

Nocturnes


図書館から借りてきた、内田樹『昭和のエートス』読了。著者のいうことは基本的に賛成なことが多い。論述の運びもきわめてロジカル。でも、正直言って(内田樹得意の)政治や経済、教育云々にかかわる話は、読んでいてどうも疲れる。僕は内田ほど愛国者ではないのかなと思う。というくらい、憂国し過ぎな感じ。そんなことを言ってはいけないのだろうがなあ。どちらかと言えば、文庫解説の鷲田清一氏が述べているとおり、音楽・文学の話や「私語り」のような文章が好ましかった。こんなに憂国しないといけないですかねえ。
昭和のエートス (文春文庫)

昭和のエートス (文春文庫)


呆れた話だが、HP内で関連付けられたURLが、すべて絶対パスで書かれてあったことに気づく。HP内では相対パスで指定するという常識がなかったのだ。当然、すべて書き直す(まだ大した量でなくてよかった)。