三木成夫『生命とリズム』/養老孟司『超バカの壁』

晴。
早朝出勤。
音楽を聴く。■モーツァルト:フルート四重奏曲ト長調K.258a(ウェンツ)。■モーツァルト交響曲第三十五番K.385(アバド)。アバドの指揮って、あまり面白みはないけれど、堅実だよね。

Mozart Symphonies (Bril)

Mozart Symphonies (Bril)

アラウ・ファイナル・セッションズのドビュッシー・アルバムを聴く。アラウの最晩年は、テンポは極端に遅くなっているが、ピアノの音が極めて美しい。水晶の珠を転がすような、芯のある美音がたまらない。解釈も熟れ切っていて、このテンポを許容できる人には至福の演奏だろう。曲はベルガマスク組曲、「ピアノのために」からサラバンド、レントより遅く、ロマンティックなワルツ。
Final Sessions (Coll)

Final Sessions (Coll)

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64(メニューイン)。あまりにも有名な第一楽章はちょっと苦手なのだが、終楽章は大好きだ。妖精が飛び跳ねているかのよう。こういう曲は、メンデルスゾーンしか書けない。他に誰も。■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第二十四番op.78(アラウFS)。これも「ファイナル・セッションズ」の演奏。第一楽章があまりにも美しい。こんな浄化され切った「テレーゼ」は聴いたことがない。意表を突かれる。終楽章が技術的にきびしいのは仕方ありません。■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第二番op.2-2(アラウFS)。こちらは超正攻法の名演。しかしアラウというのは何という爺さんだ…。作曲者もすごすぎるが。■バッハ:ピアノ協奏曲第一番BWV1052(リヒテル1955)。録音状態が悪い。オケの音量が大きすぎる。それでも聴いていると、リヒテル以上のピアニストはこれまでいなかったし、恐らく将来も現れまいなどと思う。本当かと疑う人は、You Tube でも適当にどうぞ(こちら)。■ラヴェルマ・メール・ロワアルゲリッチ、モギレフスキー2007Live)。やさしい曲なのに、ピアニストの格の違いが明らか。アルゲリッチのピアノは魔術だ。
しかし、今日はやたらと音楽を聴いたな。アディクトだ。

三木成夫『生命とリズム』読了。これは奇妙な本だ。というのはもちろん賛辞である。著者は解剖学者ということであるが(ちょっと養老孟司先生が連想される)、本書は何か一見取り留めがない。しかし、どうも底の方ですべて繋がっていそうである。解剖学の話もおもしろいし、呼吸の話もおもしろいし、ゲーテの『ファウスト』の話もおもしろい。ただ、自分は本書を読み切ったという感覚がない。まだわかっていないのだろう。さらに修行を積んでから再挑戦したいものである。なお、文庫解説は甲野善紀氏である。このあたりも何やら雰囲気が漂っている。そうそう、自分は一時期、まさしく一日のリズムが二十四時間五十分でしたよ。これは本書によると、潮汐のリズムらしい。
生命とリズム (河出文庫)

生命とリズム (河出文庫)

養老孟司『超バカの壁』読了。上の本を読んだから、というわけでもないのだが。「ブ」で105円で有れば、買っておくといいよ。独断と偏見の本だが、損にはならない。
超バカの壁 (新潮新書 (149))

超バカの壁 (新潮新書 (149))