ローティ『プラグマティズムの帰結』

晴。
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リチャード・ローティプラグマティズムの帰結』読了。ローティは昔から好きではなかったし、本書も自分にはあまり関係のない書物だった。ただ、文庫版で六〇〇頁を超える本を読んだのだから、弁解が必要だろうか。本書は徹底的にメタ位置に立とうとする点では、極凡庸なものである。ローティは頭は非常に切れ、古今の哲学に精通しているようにも見える。そこらあたりは、自分には到底真似ができないもので、「哲学」を腑分けするその優雅な手つきには、魅了されなくもない。しかしまあ、頭がいいだけなのではないか、というような気もするのであり、皮肉っぽくて、生産的な感じを受けない。読んだあとで、索莫とした気になってくる。かしこい人が読めばいいのではないかという感じが、拭えないのである。本書は「哲学書」というよりは、むしろ「批評書」なのではないか。これは貶下的な意味で云うわけではない。「批評家」というのが、ローティにむしろ相応しい称号であるように思えるのだ。

プラグマティズムの帰結 (ちくま学芸文庫)

プラグマティズムの帰結 (ちくま学芸文庫)


音楽を聴く。■メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第一番op.49(グリーグ・トリオ)。全然ダメ。この曲はこんなに曖昧模糊とした曲ではない。もっと溌溂と。まともに聴けなかった。
Schumann & Mendelssohn Trios

Schumann & Mendelssohn Trios

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第八番「悲愴」op.13(ゼルキン)。あんまりよくない。あと、最近のリマスタリングにはめずらしく、ヒス音がかなり大きい。
Beethoven: Piano Sonatas 8, 14, 23 & 30

Beethoven: Piano Sonatas 8, 14, 23 & 30

モーツァルト交響曲第四十一番K.551(ベーム参照)。何という素晴らしい曲であり、演奏だろう。終楽章は、恐らくモーツァルトの創作活動の頂点のひとつ。そのことがまざまざと感じ取れる演奏だ。しかし終楽章は、どういう転調に次ぐ転調かね。