こともなし

晴。
音楽を聴く。■ドビュッシーピアノ三重奏曲ラヴェルピアノ三重奏曲(フロレスタン・トリオ、参照)。ドビュッシーは若書きで、まだ彼らしさは充分には出ていないが、それでも既に聴くに値する。ラヴェルはさすがにいい曲。演奏も両曲ともにいい。このフロレスタン・トリオというのは、なかなかではないか。■シューマンピアノ三重奏曲第一番op.63(グリーグ・トリオ、参照)。メンデルスゾーンにはまったくミスマッチだったが、一転してこの曲では、曲想にぴったり合った演奏になっている。感銘しました。この曲のベストの演奏なのではないか。

なかなか本が読めません。頭に活字が入ってこない。こういうことは時にあります。
中沢新一を読む。

仕事場で読む岐阜新聞共同通信系)に、このところずっと、福島の原発事故の「全電源喪失」に関連するルポが長期連載されている。これを読んでいると、確かに東電本社や政府の対応に怒りが湧いてくるところはあるが、現場の人たちは、俺は死んじゃうんだろうなと思いながら必死で対応している場面が多くて、つい胸に迫ってしまうシーンが頻出する。宮沢賢治の童話に出てくるような人たちが実際に少なからず居たことを知ると、何とも言えない気持ちにさせられる。これは非理性的な反応なのであろうが、原発の再稼働や輸出などと言っている政治家、企業の人その他諸々の意見を聞くと、何か信じられないような気がする。こんなことがあってすら、日本人は変われないのだな。いや、変われる人、変った人もいるのだろうが、なかなか事態までは変えられない。一方で今、防衛政策の大転換が、閣議決定だけでなされようとしているし。こうしたことは変えられるのだ。まあ、こんなことはあまり書きたくないのだけれど。