佐藤亜紀『外人術』

晴のち曇。
音楽を聴く。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第一番op.18-1(エマーソンSQ)。

Beethoven : String Quartets

Beethoven : String Quartets

■ヨセフ・スーク:幻想曲ト短調op.24(ユリア・フィッシャー)。スークはもう少し聴いてみてもいいな。■ヴォーン・ウィリアムズ:ロマンス「揚げひばり」(ユリア・フィッシャー)。■ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61(メニューイン)。独特の高貴で骨太な美しさを持った演奏。ただ、自分の好きな終楽章がいま一つなのが残念だ。メニューインは技術が劣るので、苦しい弾きぶりになっている。■バッハ:フルート・ソナタ ロ短調BWV1030(ランパル)。久しぶりにこの曲を聴いたが、何ていい曲なんだ。ランパルのフルートがまた上手いし。

県営プール。
佐藤亜紀外人術』読了。一種のヨーロッパ旅行案内なのだが、それにしても著者のヨーロッパ文化の享受意欲には驚かされる。半端でないのだ。それがまた、狷介な趣味性に彩られていて、ちょっと怖い。著者の旅行は少々ブルジョワという感じだが、事実はじつは貧乏人には殆どわからない。とにかく、底辺から高度高級まで、様々な状況を体験していて、もうこれは「通」である。また、文体がぎゅんぎゅんに詰まっていて、歯応えがあること夥しい。おもしろく読めばそれでいいのだろうが、自分は正直、あまりの密度に疲れるくらいでしたよ。我こそはヨーロッパ通という人に、是非読んで頂きたいものだと思う。
外人術―大蟻食の生活と意見 欧州指南編 (ちくま文庫)

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