晴。
林光男『完全独習 量子力学』にざっと目を通す。副題「前期量子論からゲージ場の量子論まで」。ネットにも既に幾つかのレヴューが上がっているが、知識を整理するための本で、独習本ではないという評価は当っている。実際、記述は相当に簡潔であり、本書だけで量子力学を独習するのはまず無理だろう。すっきりしていて、そんなに悪い本ではないと思うが、自分のような素人で本書の題名に誘引される人もいると思うので、注意しておく。出版社は、題の付け方をもう少し考えて欲しかった。
完全独習量子力学 前期量子論からゲージ場の量子論まで (KS物理専門書)
- 作者: 林光男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 佐藤文隆
- 出版社/メーカー: サイエンス社
- 発売日: 1981/06
- メディア: ?
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夕方、お墓参り。
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音楽を聴く。■ヘンデル:組曲集(ペライア)。何故かヘンデルって滅多に聴かないのだが、いいではないか。リヒテルも正規録音を残しているから、これも聴いてみるか。グールドの唯一のチェンバロ演奏がヘンデルだったと思うので、これも聴き直してみよう。確かとても音が美しかったと覚えている。■シェーンベルク:モーゼとアロン(ブーレーズ)。演奏に一時間半以上かかる大作。ドイツ語は単語くらいしかわからないので、聴いていて大変だった。この音楽が単一のセリーによるものだとは、驚異的な話である。晦渋な作品ではあるが、魅力も多いと感じた。シェーンベルクの創始した十二音音楽は、彼の手になるものは必ずしも干からびた、生気のないものではない。シェーンベルクに影響を受けた作曲家は多いが、スケールの点で彼を上回った者は結局いなかったのだと思う。ブーレーズの音楽づくりは極めて精緻。