「プーシキン美術館展」を観る/『キリスト教神秘主義著作集13 ヤコブ・ベーメ』/現代詩文庫『岡井隆詩集』

曇。
音楽を聴く。■バッハ:パルティータ第六番(ペライア)。

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愛知県美術館へ「プーシキン美術館展」を観に行く。開館直後の一〇時過ぎに着いたのだが、既に相当の混雑。絵の前に人がたかっている。近代絵画が主で、まあ「わかりやすい」絵しかないと云ってもいいだろう。十七、十八世紀の古典的な絵画はあまりいいのがない。印象派に入るとさすがに個性がある絵が多いのだが、これも特に見て感銘を受けるほどのものはなかった。ドガの踊り子たちを描いた小さい絵が気に入ったくらいか。あとは、ゴーギャンセザンヌなどに惹かれる。印象派以降は低調。ピカソの「青の時代」の絵が二点だったかあったが、さほどのものではない。
 こうなると、常設展の方が活きてくる。藤永覚耶の、ピンぼけしたような絵は、めまいがして観ていて気持ちが悪くなってくるくらい。これは面白かった。
 それから、グループでやってきて絵の前でお喋りをするオバハンたち、やめてください。感想は展覧会の外でどうぞ。こういう手合いが五組くらいいた。
 ちなみに、ここは地下二階のミュージアム・ショップが充実しているのだ。立ち寄って、青野尚子/シヲバラタク『新・美術空間散歩』を買う。建築としても優れている、日本の美術館を紹介している。写真がとても綺麗だ。(帰りの電車の中で開いてみたら、一気に惹き込まれた。)
 でもまあ、久しぶりに絵を観られたのはとてもよかった。また色々見に行こう。

新・美術空間散歩

新・美術空間散歩

 出てきたら十一時過ぎだったので、オアシス21の中華「信忠閣」にて昼食。炒飯と焼き餃子を食したのだが、これなら近所の中華料理屋の方が格段に旨い。
 JR那加駅へ戻ってきてから、車で市の「瞑想の森」を訪れる。今まで市の火葬場で、伊東豊雄の手でリニューアルされたというのだが、行ってみたらやはり火葬場に違いないではないか。ホールなどもあるようだが、とても入る気になれない。で、そのまま帰りました。
 図書館。『神は死んだ』『マヨラナ』、クロソウスキー岡井隆(現代詩文庫)など。

キリスト教神秘主義著作集13 ヤコブベーメ』読了。「シグナトゥーラ・レールム」「神智学書簡」などを収める。
ヤコブ・ベーメ キリスト教神秘主義著作集 <13>

ヤコブ・ベーメ キリスト教神秘主義著作集 <13>

図書館から借りてきた、現代詩文庫200『岡井隆詩集』読了。物凄いインパクト。読んでいて、清冽な湧き水で喉を潤しているような気持ちがする。(そう云っても、きれいな、美しい言葉だけを使った詩などではない。むしろその逆である。)自分はまだあまり詩を読み慣れていないので、本書に収録された幾つかの岡井隆論には教えられるところが多かった。もちろん詩人は本来著名な歌人であるわけだが、歌人の余技なんてものではない。それもあって、氏の主戦場である短歌も読んでみたくなる。
岡井隆詩集 (現代詩文庫)

岡井隆詩集 (現代詩文庫)