バレンボイムの弾くモーツァルトのピアノ・ソナタ

バレンボイムモーツァルトBOX落手。第一番K.279、第四番K.282、第五番K.283、第七番K.309、第八番K.310を聴いてみる。第一印象は、平凡だな、という感じ。ちょっと失望しかけたのだが、聴いていくうちにハマってきた。平凡というよりは、 作為がなくてナチュラル、と云った方がよいことがわかってきた。段々アディクトになってくる。第七番がいい(特に終楽章アレグレット・グラチオーソ)。そして、第八番はさらに凄かった。元々、モーツァルトの中でも最もシリアスな曲のひとつだが、特に第一楽章の演奏は、これはどう言ったらいいようなものか。ライブでもう一度やれと云っても無理、というような演奏が、スタジオ録音されてしまったとでも云うか。ちょっと繰り返して聴けないほど。他の楽章も入魂。素晴らしいです。
 さらに、第十二番K.332、第十三番K.333、第十六番K.545、第十八番K.576を聴く。第十三番が、愛すべき曲の愛すべき演奏。第十六番、いわゆる「やさしい」ソナタだが、これがあり得ないくらい充実した演奏になっている。この曲がこんなに内容豊富だなんて。第十八番は表現がむずかしい曲だが、さすがに聴かせる。

Mozart: Complete Piano Sonatas and Variations

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