『観無量寿経』/柴崎友香『また会う日まで』

晴。
寝過ぎ。一〇時間以上ねたぞ。
音楽を聴く。■モーツァルト交響曲第十八番K.130(ベーム参照)。これでベームの指揮するモーツァルト交響曲集(10CD)を聴き終えた。九箇月くらい掛かったか。初期のは、交響曲と云ってもディヴェルティメントみたいなものだな。ベームのだから、演奏のクオリティは申すまでもなし。心の調律用に、持っていてもよいのではないでしょうか。

Mozart: Symphonies

Mozart: Symphonies

■フンメル:チェロ・ソナタ イ長調op.104、ピアノ三重奏曲ヘ長調op.22(パル・バンダ、スーザン・アレクサンダー=マックス他、参照)。演奏(というか、オーセンティック楽器の音)はホントにショボいのだが、フンメル自体はおもしろい。特にチェロ・ソナタはかなりいい曲。現代楽器の演奏で聴いてみたい。■■バッハ:パルティータ第一番BWV825、イギリス組曲第三番BWV808、フランス組曲第二番BWV813(ピリス、参照)。素晴らしいバッハだ。ピリスが DG に録音したバッハは、たったこの三曲しかないとは。じつに残念なことである。パルティータもイギリス組曲フランス組曲も、全曲録音を期待したい。■ショパン:ピアノ・ソナタ第三番op.58(ピリス、参照)。自分の好みはポリーニ盤だが、これはこれで成立している。どちらかと云えば、女性的なショパン。自分の好きな終楽章がよかったので、ホッとした。もちろん音はどこも美しい。

昼から県営プール。外気温が 12℃くらいで、暖かくなった。
佐藤春夫訳注『観無量寿経』読了。石田充之の解説は、自分のような者にはむずかしかった。柴崎友香『また会う日まで』読了。二〇代半ばくらいだろうか、写真家希望の有麻ちゃんが、住んでいる大阪から東京へ一週間やってきて、昔の知り合い(男女とも)と色々会うという話。特に鳴海くんとは微妙な淡い関係なのだが、最終的にどうなったのかは結局わからない。有麻ちゃんは普通の子なのだが、でもどこかやはりちがっていて、当り前に就職して結婚して…みたいな感じではないのだ。有麻ちゃんは鳴海くんもちょっとちがっていそうで、そこが気になっていたのだが、久しぶりに会った鳴海くんは(「社畜」っぽい?)サラリーマンで、もうすぐ結婚する。さて…。というようなお話。小説は今風なのだけれど、淡々として上手い。凪子という変な登場人物も利いている。
 でも、僕は自分に引きつけて読んでしまいましたね。おっさんだからこんなのは二〇年前の話だが、有麻ちゃんみたいな女の子は周りに居たのだろうか。いや、居たかも知れないが、ただ気づかなかっただけなのかも知れない。もう遠い昔の話ですが。小説としては、おっさんの読むようなものではないのかも知れないが、こういうのは好きです。柴崎友香というのは、なかなかいい小説家だな。
また会う日まで (河出文庫)

また会う日まで (河出文庫)