石田瑞麿『日本人と地獄』

雨。
うどん「恵那」にて昼食。

石田瑞麿『日本人と地獄』読了。日本の文献に現れた、地獄観をまとめたものである。やはり源信の『往生要集』の成立が決定的だったようだ。第三章で、文献上において地獄に落とされた人物(例えば紫式部)について述べてあるのが、面白い。また、小野篁は、生きながら地獄の第二の冥官であったという伝説も愉快だ。小野篁がそこを通って地獄と行き来するのに使った井戸というのが、今でも京都の六道珍皇寺にあって、物好きにも実物を見に行ったことがある。などと些細なことのみ述べたが、本書はきちんとした学術書なので、御間違えのないように。