石井進『中世武士団』

晴。夜雨。

石井進『中世武士団』読了。自分は日本史の本を語れるほど学がないのだが、本書がとてもいい本だということくらいはわかる。中世の武士とは何かというような、大きな問題意識をもって、かなりの程度それに答えているというだけで立派だ。堅実な学術書なのに、無骨な中世の武士の息遣いが聞こえてくるようである。解明の手法は、資料に文献を使うだけでなく、板碑を用いたり、地名を考察し、考古学的な知見を加えるなど、(素人の印象ではあるが)多様で立体的でもある。文学も上手く使ってあるなど、日本史の本としては思い切った試みではないだろうか。
 中世史は網野善彦氏が出て、一般にも読まれるようになったが、文庫レヴェルではマイナーで、中世史の名著が文庫に入るといった例は、あまりないような気がする。自分が知らないだけで、いい本は他にもいろいろあるのではないか。歴史ブーム(「歴女」とか?)というくらいだから、シブい本の入る文庫の編集部に、期待したい。

中世武士団 (講談社学術文庫)

中世武士団 (講談社学術文庫)

日付が変って真夜中なのだが、暇なことにネットのライブカメラWebカメラ)を探索。夜、動きがはっきりしているのは少ないね。USTREAMの天神のカメラなどは、さすがに繁華街、夜1時でも車の姿は途切れない。しかしライブカメラというのは、ネットらしいというか、なんだか攻殻機動隊の世界のようだな。
http://www.ustream.tv/channel/coara
USTREAM秋葉原。音が聞こえるのが珍しい。これも真夜中なのに、結構車通りがある。タクシーが多いな。
http://www.ustream.tv/channel/akibastream