ロブ=グリエ『消しゴム』/『折口信夫対話集』/ジュール・ヴァレス『子ども(上)』

日曜日。雨。のち曇。
ロブ=グリエ『消しゴム』読了。中条省平訳。

消しゴム (光文社古典新訳文庫)

消しゴム (光文社古典新訳文庫)

折口信夫対話集』読了。安藤礼二編。小林秀雄鈴木大拙との対話篇があったのか。それから、日夏耿之介はやはりすごいな。
カルコス。
ジュール・ヴァレス『子ども(上)』読了。著者の少年時代を描いているが、地獄のような日々ではないか。文体(少なくとも本書の訳文は端正である)その他はまったくちがうが、セリーヌの『なしくずしの死』を連想してしまった。本書の両親は、本当に息子に愛情を抱いているのか。いや、まったく愛情を抱いていないとは云えないかも知れないが、「お前のためだ」と言って子どもが近くにいるだけですぐ殴りつける母親というのは、どういう気持ちでやっているのだろう。それなのにスポイルされていないように見える主人公の方は、それでもいつも母親が正しいと自分を納得させるのである。彼は、快活ですらあるのだ。よく子どもを愛さない親がいるはずがないと云われるが、それは逆なのかも知れない。つまり、親を愛さない子はいないのである。下巻に続く。
子ども(上) (岩波文庫)

子ども(上) (岩波文庫)


ハイティンクの指揮するマーラー交響曲第九番(2011年ライヴ)。普通にいい演奏。ハイティンクは実力者だな。