アラウの弾くモーツァルトのピアノ・ソナタ

HMVのマルチバイ商法に引っ掛かって(笑)、つい注文してしまった、クラウディオ・アラウモーツァルト・ピアノ・ソナタ全集を聴く。まだアラウが存命のとき、何枚かCDを買っていたものであるが、BOXセットが出たので入手した。だから、演奏のすばらしさはわかっていたのだが、まだ聴いていなかったものを聴くと、モーツァルトの音楽に打ち震える。確かにアラウの技術が(モーツァルトなのに)既にきびしい演奏もあるが、それを差し引いても、まさしく音楽そのものを聴いているという感じがする。どれもテンポは非常にゆっくりなのだが、退屈どころか、テンポの妥当性を強く感じるほどだ。変な話だが、既視感(既聴感?)を覚えてならない。それだけ説得力があるということだろう。また、音も洵に美しい。真珠の珠をころがすよう。

Die Klaviersonaten Claudio Arrau Spielt Mozart

Die Klaviersonaten Claudio Arrau Spielt Mozart