原武史『増補 皇居前広場』/坂井典佑『場の量子論』

晴。
原武史『増補 皇居前広場』読了。ちょっと大袈裟に云えば、「空間政治学」とでもいうべきものの試み。皇居前広場を対象にした、定点観測をやっているのだが、これがまたいい切り口なのだ。これ原本は、光文社新書だそうで、こんな面白い本を見逃していたとは勿体無かった。新書はいったん見逃すと、洪水の中に埋もれてしまうことがあるのだよなあ。

増補 皇居前広場 (ちくま学芸文庫)

増補 皇居前広場 (ちくま学芸文庫)

坂井典佑『場の量子論』にざっと目を通す。震災後、何故だか物理や数学の本が読めなくなっていたが、また少しずつ付き合っていけたらと思う。さて本書だが、すっきり書かれているのが長所であり、同時に短所でもあろう。泥臭さはないので、なかなか本書だけでは、独習で場の量子論を理解するというわけにはいくまい。しかし一方で、何となしの雰囲気を味わうことはできる。結局、本書の対象とする読者というのは、どんなものなのだろうか。先輩や教師のサポートがある学部生、そんな感じだろうか?
場の量子論 (裳華房フィジックスライブラリー)

場の量子論 (裳華房フィジックスライブラリー)