三上隆三『円の誕生』

晴。
プール。アピタ
三上隆三『円の誕生』読了。明治になって考案された通貨単位「円」の成立を探る歴史書である。骨太の専門書なので、読み通すのは素人にはなかなか大変だったが、維新のとき日本が通貨単位の変更をとても考えぬいてやったことがわかって、改めて先人たちの努力に敬服したくなる。また、「円」の誕生には江戸時代からの連続性も考慮しなければならないといったことは、新しい知見らしい。外国語からの翻訳ばかりでなく、本書のように、日本人が日本の歴史を力強く掘り起こす学術書がもっとあってもよいだろうし、そうあるべきだとも思わずにはいられない。

円の誕生 近代貨幣制度の成立 (講談社学術文庫)

円の誕生 近代貨幣制度の成立 (講談社学術文庫)