坂本龍一『エスペラント』/小泉武夫『発酵』/吉田修一『7月24日通り』

晴。寒い。
ブレンデルの弾くハイドンがいいな。Hob.XVI-34ホ短調とか。ブレンデルは最近引退してしまったが。
あまり調子が良くない。近頃、沈黙の刻になっている。
「3pigs」にて昼食。
坂本龍一の『エスペラント』を聴く。坂本本人が気に入っているアルバムのようで、前衛的といえばそうなのだが、聴きにくいというほどでもない。バランスが取れている。メロディアスな音楽を求める向きには合わないだろうが、『B-2 UNIT』などが好きな人には、良いのではないか。自分は気に入った。

エスペラント

エスペラント

小泉武夫『発酵』読了。一般向きには貴重な、発酵についてのモノグラフ。日本の伝統的な食べ物は、外国と比べても、酒、味噌、醤油、米酢、味醂、焼酎、鰹節、熟鮓(なれずし)、納豆、漬物など、発酵を利用したものがとても多いという。自然環境が発酵に適しているのだろう。
発酵―ミクロの巨人たちの神秘 (中公新書)

発酵―ミクロの巨人たちの神秘 (中公新書)

吉田修一『7月24日通り』読了。吉田修一を読むといつも思うが、現代を巧みに描いて読ませる、力のある小説家だ。また作風が広い。本書は地方都市での、等身大のラブ・ストーリーというか、恋愛ってこうグチャグチャしてるけど、やめられないというような感じが、よく出ている。しかし、主人公の女にはいまひとつ共感できないのだが、でもこういう女っているし、こういう女だってそれは恋愛したいよね。あと、ラストはこれでいいのか。「小説の法則」(?)からすると、本屋で出会った男の方へいくべき(?)なのだろうが、彼女は自分で失敗するとわかっているのに、東京へ行こうとするのだ。まあ、それならそれで良し。
7月24日通り (新潮文庫)

7月24日通り (新潮文庫)