シャノン『通信の数学的理論』/スタインベック『ハツカネズミと人間』

建国記念の日。雨。
シャノンとウィーバーの『通信の数学的理論』にざっと目を通す。いきなりシャノンの原論文はむつかしいが、訳者による解説を参考にすると、なんとかアウトラインは判った。

通信の数学的理論 (ちくま学芸文庫)

通信の数学的理論 (ちくま学芸文庫)

熱力学の復習。

  • 横田伊佐秋『熱力学』
  • 戸田盛和『熱現象30講』

戸田がわかりやすい。横田は初学者にはちょっと不親切。
熱力学 (物理テキストシリーズ 3)熱現象30講 (物理学30講シリーズ)

青柳いづみこ推薦のハイドシェックを聴く。曲はモーツァルトのピアノ協奏曲第22番。一聴してハイドシェックは明らかにマイナーなピアニストであるが、上品でセンスのよい演奏は、この曲とよく合っている。古き良きヨーロッパというような感じで、気に入った。併録されているケーゲル指揮のモーツァルト交響曲第40番)も、この甘ったるい曲を、早めのテンポでメリハリをつけた演奏で、何の不満もない。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、交響曲第40番 (Mozart: Piano Concerto No.22, Symphony No.40)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番、交響曲第40番 (Mozart: Piano Concerto No.22, Symphony No.40)

スタインベック『ハツカネズミと人間』読了。好篇。人物の造形がいい。兄貴分のジョージと、力は強いが頭の弱いレニーのコンビがいいし、カリフォルニアの農場の雇われ人のリーダー格で、皆に畏敬されているスリム、老いぼれのキャンディ老人、黒人のクルックス、そして、尻が軽く、結局問題を引き起こす、農場主の息子カーリーの妻など、鮮やかに描きわけられている。アメリカの農場の雇われ人というのは、たぶん社会の最底辺層に属するのであろうが、そこで奇跡が起きそうで、しかし悲劇が起ってしまうというのは、なんともやりきれないことは確かで、ただ最後にスリムの存在が、読後感を救っている。いい作品だ。
ハツカネズミと人間 (新潮文庫)

ハツカネズミと人間 (新潮文庫)