金時鐘『猪飼野詩集』/C・R・マチューリン『放浪者メルモス(上)』

晴。
先日聴いたガルッピ(参照)がなかなかよかったので、アンドレア・バッケッティの、今度はマルチェッロのピアノ・ソナタ集を聴く。これもなかなか魅力的だ。マルチェッロのピアノ・ソナタは初めて聴くが、バロックのクラヴィーア曲として、充分楽しめるレヴェルにある。有名なオーボエ協奏曲から連想しても、それほどのまちがいとは云えないだろう。バッケッティのピアノは、暖かくてやわらかい芯のある音が心地よい。さらに聴いてみたい気を起こさせる。

Benedetto Marcello Piano Sonatas

Benedetto Marcello Piano Sonatas

モーツァルト交響曲第三十五番K.385「ハフナー」、交響曲第三十二番K.318 (カラヤン1976)。K.385はあまりに流麗で、スマート過ぎ。K.318はいい演奏。■メンデルスゾーン交響曲第四番op.90「イタリア」(チェリビダッケ1950,BPO)。自分は果してチェリビダッケが好きなのか。ただ、チェリビダッケはスタイリッシュな指揮者なので、彼がこの曲をどう料理するかという期待で、つい聴いてしまうのだと思う。この演奏はまあまあ。録音はあまりよくない。
Maestro Profondo

Maestro Profondo

モーツァルト交響曲第二十五番K.183(チェリビダッケ1948)。これも録音はよくないが、個人的に聴いてよかったという演奏。

金時鐘猪飼野詩集』読了。著者は在日朝鮮人。こんな本が文庫化されたのだから、皆買って読むべきでしょう。ここには生々しい、生臭いものが露呈している。
猪飼野詩集 (岩波現代文庫)

猪飼野詩集 (岩波現代文庫)

図書館から借りてきた、チャールズ・ロバート・マチューリン『放浪者メルモス(上)』読了。富山太佳夫訳(素晴らしい翻訳!)。一〇〇頁を読んだあと、今日上巻の残りの三〇〇頁を一気に読まされた。麻薬のような吸引力である。これは、幻想小説の最高傑作のひとつなのではないか。以下下巻。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第九番K.311(内田光子)。聴きたくなったので。これは内田光子のカッチリしたピアノに合っている。