ミュッセ『二人の愛人』

晴。
ミュッセ『二人の愛人』読了。凄みといったものには欠けるが、いかにもフランス文学らしい恋愛小説の佳品。二股を掛けるというのは恋愛物の常套で、その恋人たちを対照的な存在にするのもよくある話だけれども、上手いね。日本にないのは、貴族を中心としたフランスの社交界というもので、この小説だけでなく、社交界が舞台の恋愛物が、フランスにはどれほどあることか。

二人の愛人 (新潮文庫 ミ 1-1)

二人の愛人 (新潮文庫 ミ 1-1)