広江克彦『趣味で相対論』

晴。
自由書房EX高島屋店。
広江克彦の『趣味で相対論』だが、自分のように勝手に物理学の本を読んでいる者には、これはとても面白い本で、いま嵌っている。面倒な計算をいちいち地道にやってみせているのが、意外と類書がなくて独学者には有難いし、それが却って物理的な本質を抉り出しているところもあるのだから、学問は奥が深い。一般相対性理論をここまで丁寧に解説してみせた本は、他にはきっとないと思う。物理学者になりたい、という学生向けではないとはいえ、実際にはそういう人にも役立つのではないか。テンソルの解説など、どの類書よりも親切で、自分のように頭のよくない者には判りにくかったところが、痒いところに手が届くように説明されていた。他の入門書(例えば戸田盛和の「30講」シリーズなど)とあわせて読むのがいいと思う。とにかくユニークな物理書だ。
 そうそう、それから、本書は「ネット発」の本なのだ。もとのサイトはこちら。書籍の形ではなく、ディスプレイ上で充分という人向け。しかし、買う価値はある本だと思うよ。

趣味で相対論

趣味で相対論

相対性理論30講 (物理学30講シリーズ)

相対性理論30講 (物理学30講シリーズ)