『系統樹思考の世界』/『魔の山』

曇のち晴。
三中信宏系統樹思考の世界』(isbn:4061498495)読了。系統樹の最適化という考え方が面白い。与えられた「種」を説明する系統樹は、必ずしも一通りではないというのだ。(だから、生物種の系統図も、これしかありえないというものではなくなる。)これがコンピューターの発展と結び付いているのは見易い。すなわちここでもまた、「NP完全問題」である。系統樹というのは、ネットワークの一種だからだ。
BOOK OFF。「MOTHER3」なんか買ってしまう。
トーマス・マン魔の山(下)』読了。途中で大いに呆れもしたが、やはり読んでよかった。しかし、アメリカでは『魔の山』を読んでいないと、知的だとは認められないというのは本当だろうか。グレン・グールドの愛読書だったとも聞くが、暗くて、曲がりくねって、晦渋な小説なのに(それとも、それだから?)。それにしても西洋人というのは、嫌になるほど理屈っぽいのだな。

魔の山〈下〉 (岩波文庫)

魔の山〈下〉 (岩波文庫)