玄侑宗久『中陰の花』

晴。暑い。
プールとアピタ
玄侑宗久『中陰の花』読了。河合隼雄の的確な解説にある通り、著者は「現代に生きる仏僧」として、努力している人である。今だって偉い僧侶は少なからず存在するだろうが、同時代に向けて積極的に関っている人となると、これはなかなかいないというのが、実際のところだろう。著者のような坊主は、だから貴重なのである。人生は一回きりのことだから、反復性を必要とする科学では割り切ってしまえないものなのだが、そこのところを上手く扱わねばならないから、「現代の僧侶」は大変だ。で、あとがきの「量子テレポーテーション」には恐れ入りました。でも、これは実はちょっと、冗談では済まされない話なのではあるが。

中陰の花 (文春文庫)

中陰の花 (文春文庫)