2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

パヴェーゼ『流刑』/フランシス・ジャム『三人の乙女たち』

十一時間くらい眠った。雨。 プール。アピタとその本屋。 パヴェーゼ『流刑』読了。河島英昭訳。傑作と言うのが相応しいのかわからないが、いい小説だ。二十世紀イタリアの小説には、こういう地味ながらいいものが沢山ある。著者は己の体験をもとに、流刑に…

福田和也『昭和天皇 第三部』

日曜日。雨。 カルコス。 福田和也『昭和天皇 第三部』読了。時代はようやく昭和に入る。著者は昭和天皇を「彼の人」と呼んでいるが、その昭和天皇はあまりはっきりとした像を結ばない。むしろ、同時代の政治の動きや文化について幅広い目配りが効いており、…

土屋恵一郎『怪物ベンサム』

晴。暖かくなった。三月下旬の陽気とか。梅林公園の梅まつりが始まった。 土屋恵一郎『怪物ベンサム』読了。日録に書く。怪物ベンサム 快楽主義者の予言した社会 (講談社学術文庫)作者: 土屋恵一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/01/12メディア: 文庫 …

スティーブン・ガブサー『聞かせて、弦理論』

雨。 図書館から借りてきた、スティーブン・S・ガブサー『聞かせて、弦理論』読了。弦理論の啓蒙書。ブライアン・グリーンほど比喩で語っていないので、弦理論にまったく知識のない人にはきついかもしれない。だから逆に、ある程度の予備知識があれば、『エ…

フォークナー『八月の光』/南部陽一郎、H・D・ポリツァー『素粒子の宴』

晴時々曇。 図書館。 フォークナー『八月の光』読了。いやあ、しんどかった。長い(文庫本で650頁を超える)だけでなく、強度もすごい。強烈で荒々しい、暴力的でむくつけき、(よい意味で)野蛮な小説だと感じた。アメリカの小説によくある、アメリカの荒ん…