2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

神林長平『敵は海賊・正義の眼』

雨のち晴。 神林長平『敵は海賊・正義の眼』読了。高校(中学?)生のときからつき合っている神林だが、最近はあまり読んでいなかった。本書も買ってから、五年間弱は放りっぱなしにしており、気まぐれで手に取ってみたのだった。この「敵は海賊」のシリーズ…

志賀浩二『微分・積分30講』/ipod落手

晴。暖かい。 図書館から借りてきた、志賀浩二『微分・積分30講』読了。『位相への30講』のわかりやすさに感動したので、読んでみたが、これもじつにわかりやすい。範囲はおおよそ、高校数学+大学初年度の微分積分で、本書と(「チャート式」などの)高校数…

阿部謹也『西洋中世の罪と罰』

晴。 図書館。 阿部謹也『西洋中世の罪と罰』読了。古ゲルマン社会では、死者もまた「生きて」おり、生者に様々な仕方で働きかける存在だった。生と死には、連続性があったのである。キリスト教は、かかる異教的な風習を否定するため、生と死を切断しようと…

原田泰『震災復興 欺瞞の構図』

晴。 原田泰『震災復興 欺瞞の構図』読了。日録に書く。震災復興 欺瞞の構図 (新潮新書)作者: 原田泰出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/03メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 183回この商品を含むブログ (21件) を見る

外岡秀俊『3・11 複合災害』

晴。大垣。 今日から三日間、多少忙しい。 外岡秀俊『3・11 複合災害』読了。後世の中学生・高校生が、昨年の大震災を知ろうとするとき、まず手に取ってみるような本のひとつになるように書かれたという新書である。その目論見は、大体において成功している…

佐藤百合『経済大国インドネシア』

晴。寒い。 イオンの写真屋。それからそこのJTBへ、今度の旅行の代金を払いに行く。あそこへ行くと、なぜか調子が悪くなるのだよなあ。どうしてだろう。帰宅したらJTB側の手違いで、JRの指定席を一部取り忘れていることがわかり、あわてて再訪。指定が無事取…

ホラー・ドラコニア少女小説集成『狐媚記』/大澤真幸『近代日本思想の肖像』/志賀浩二『位相への30講』

日曜日。雨。霰が降ってきたのには驚いた。寒いはずだ。 風邪を引いているのと区別がつかないくらい、花粉症がひどい。鼻水は常時出まくりだし、目もしょぼしょぼする。こんなにひどいことはこれまではなかった。今年は一般には、飛散量は少ないらしいのに。…

引き続き志賀浩二を読む

雨のち晴。 引き続き、志賀浩二『位相への30講』を読む。とても親切だし、具象から抽象へ進んでいくという構成がいい。何より、具体例が豊富で、(定理などの)極端な場合が書いてあるのもありがたい。まあ、こういうことが自力で出来れば、数学の能力がある…

志賀浩二『位相への30講』の読書メモ

図書館から借りてきた、志賀浩二『位相への30講』の単なるメモです。位相への30講 (数学30講シリーズ)作者: 志賀浩二出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 1988/09/01メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログ (17件) を見る

ミシェル・リオ『踏みはずし』

雨。 昨日の夜から、グーグルマップのマイマップ作りにハマり、さらに panoramio にもハマった。グーグルの陰謀だ… ミシェル・リオ『踏みはずし』読了。特異なミステリーとも云おうか。歴史哲学を好むゼロ度の殺し屋の、愛による破滅。堀江敏幸の、仄かに発…

名古屋市美術館の「ベン・シャーン展」

名古屋市美術館の「ベン・シャーン展」の会期が終りに近づいてきたので、これはもう行かねばならぬということである。天気は晴。ちょうどいい。 しかし、いきなりバスが一〇分も遅れてくる。一時間に二本まで本数を減らしたのに、いきなりかね。さらに遠回り…

中村光夫『風俗小説論』

晴。 中村光夫『風俗小説論』読了。ほとんど私小説論。一時代を席巻した私小説の功罪を述べるが、「罪」の方に力点が置かれているという印象だ。最後の章は、徹底した丹羽文雄批判である。風俗小説論 (新潮文庫)作者: 中村光夫出版社/メーカー: 新潮社発売日…

リヒテルの未発表音源

リヒテルの未発表音源を聴く(CD2枚組)。殆どが1958年(リヒテル43歳)のモスクワでのライヴから、ばらばらに収録されている。但し、ブラームスのピアノ五重奏曲はスタジオ録音らしい。これ、凄い演奏です。リヒテルも圧倒的だが、共演のボロディン四重奏団…

ヘイズリット『時代の精神』

休日。晴。 W・ヘイズリット『時代の精神』読了。著者名は普通「ハズリット」と日本語表記されるが、本書の読み方が原音に近いそうだ。十八世紀後半から十九世紀前半のイギリスにおける、著者と同時代の人物らに対しての人物批評である。文章がなかなか厄介…

入矢義高『増補 自己と超越』/ミチオ・カク『超弦理論とM理論』

晴。一気に花が咲き始めた。 プール。 入矢義高『増補 自己と超越』読了。日録に書く。増補 自己と超越――禅・人・ことば (岩波現代文庫)作者: 入矢義高出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るミチオ・…

伊東豊雄、中沢新一『建築の大転換』/柄谷行人『政治と思想 1960-2011』

日曜日。曇。 カルコス。 伊東豊雄と中沢新一の対談本『建築の大転換』読了。あまりにも多くを受け取ったので、当然まだ未消化であり、内容については書けないのが残念。震災以前になされた対談もあるが、現在でも留保すべきところはまったくない。伊東豊雄…

ライドレー『時間・空間・物質』

雨。 図書館から借りてきた、B・K・ライドレー『時間・空間・物質』読了。モノから場の量子論までを扱っている。数式なし。読者の対象は、一般向けなのか学生向けなのか、ちょっとよくわからない。何だかとても読みにくかったが、こちらが悪いのだろうか。…

吉本隆明死去/山尾悠子『ラピスラズリ』

曇。 吉本隆明さん死去。享年八十七。残念です。僕は吉本さんに深甚な影響を受けたというわけではないのだけれど、それでも数えてみると、二十年間に(対談本なども含め)六十冊以上を読んでいたようで、随分読んだものだと思う。僕などが吉本さんについて正…

ブルクハルト『ルーベンス回想』/笙野頼子『母の発達』

晴。日差しがだいぶ戻ってきた。 図書館。 ヤーコプ・ブルクハルト『ルーベンス回想』読了。不世出の文化史家が、ルーベンスを詳細に語っている。図版多数。『イタリアにおけるルネサンスの文化』も、新井訳が文庫化されないかな。ルーベンス回想 (ちくま学…

小林哲夫『高校紛争1969-1970』

晴。 小林哲夫『高校紛争1969-1970』読了。学生運動の季節に、高校生たちはどう対応していたかというのが本書の内容である。高校生たちもまた、イデオロギーを注入されて「戦った」わけだった。時代はちょうど自分の生まれた頃で、この時代を知るために、本…

鈴木大拙コレクション『禅に生きる』/鎌田東二、玄侑宗久『原子力と宗教』

晴。 鈴木大拙コレクション『禅に生きる』読了。大拙の社会批評を集めたもので、このような文章が纏められるとは驚きだ。例えば大拙が戦争に対し、どのように考え、どう対処したかが窺われる。一読してみて、やはりこういうことについては、世界的禅者であっ…

第四番が好き

先日、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタで第四番が好きと書いたのだが、考えてみると、他にも第四番で好きな曲が少なくないのにふと気づいた。ベートーヴェンでは弦楽四重奏曲は彼らしい四番は外せないし、交響曲は四番をいちばんよく聴く。ピアノ協奏…

ミシェル・フーコー『真理の勇気』

雪のち晴。 プール。バローホームセンターとイオン。 ミシェル・フーコー『真理の勇気』読了。コレージュ・ド・フランス講義1983-1984年度。フーコー最後の講義。真理の勇気―コレージュ・ド・フランス講義1983‐1984年度 (ミシェル・フーコー講義集成)作者: …

フリッチャイの指揮するモーツァルトの「大ミサ」

フリッチャイの指揮する、モーツァルトの「大ミサ」ハ短調K.427である。ベルリン放送交響管弦楽団。震災追悼というつもりではなかったのだが、先日たまたま購入したので聴いてみた。 まず気になったところから。フリッチャイは初めてなのだが、かなりテンポ…

ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』/穂村弘『本当はちがうんだ日記』

日曜日。晴時々曇。 大震災からちょうど一年。 カルコス。今月のちくま学芸文庫の新刊は好みすぎて、全部買うしかなかった。 ハラルト・シュテュンプケ『鼻行類』読了。本書のことは学生のとき、荒俣宏の本で知り、訳者の日高敏隆ではないが「今ごろになって…

鳥海靖『逆賊と元勲の明治』

晴。 鳥海靖『逆賊と元勲の明治』読了。意外にと云ったら失礼になるだろうが、予想もしない面白さだった。題も内容解説もよくないのではないか。学術的な歴史書であるのにもかかわらず(?)、日本のそれではめずらしく、人物の(政治的)姿がくっきりと浮か…

現代詩文庫『続続・吉増剛造詩集』

雨。 現代詩文庫『続続・吉増剛造詩集』読了。「オシリス、石の神」全篇所収。もっと現代詩文庫は読まないといけないね。続続・吉増剛造詩集 (現代詩文庫)作者: 吉増剛造出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1994/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) …

『パウル・ツェラン詩文集』/アイザック・スターンのベートーヴェンBOX

曇。 『パウル・ツェラン詩文集』読了。飯吉光夫編訳。パウル・ツェラン詩文集作者: パウルツェラン,飯吉光夫出版社/メーカー: 白水社発売日: 2012/02/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見るフーコーを読む。 # ア…

宮本常一『民俗のふるさと』

曇。オオイヌノフグリが咲き始めた。 「3pigs」にて昼食。日替わりカリー1000円。ここはフライはあまり上手でないな。と云いつつ行く。 宮本常一『民俗のふるさと』読了。名著。宮本常一はもっと文庫で出てもおかしくないと思う。どの本もかつての日本を浮き…

デレク・ウォール『緑の政治ガイドブック』

晴時々曇。 大垣。BOOK OFF 21号穂積店。 デレク・ウォール『緑の政治ガイドブック』読了。感心できなかった。エコロジーはいいのだが、正義の下にイデオロギーをもって折伏するというスタイルは、必ず失敗すると思う。仲間割れして非難の応酬になるというの…