岩田宏『渡り歩き』 / 『エリアーデ著作集第十巻 ヨーガ2』

晴。
よく寝た。寝過ぎなくらい。

NML で音楽を聴く。■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第一番 BWV1001 で、ヴァイオリンはヤッコ・クーシスト(NML)。クーシストというヴァイオリニストはまったく知らないが、フィンランドの人で、それなりに知られているようだ。演奏は相当によい感じで、残りを聴くのが楽しみ。先日聴いたばかりのジョン・ホロウェイの無伴奏ヴァイオリン(CD)もよかったし、出るときには出るものだな。

Sonatas & Partitas

Sonatas & Partitas

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第五番 K.219 で、ヴァイオリンはヘンリク・シェリング、指揮はアレクサンダー・ギブソン、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団NMLLP)。■ベートーヴェン交響曲第三番「英雄」 op.55 で、指揮はジョージ・セルチェコ・フィルハーモニー管弦楽団NML)。まさかセルの「英雄」に感動するとは。たぶん、この演奏がいいという人はあまりいないのではないか、知らんけど。しかし、自分にとっては自分のこの曲のイメージにかなり近い演奏だった。この整然ぶりは、むしろ謎というべきではあるまいか。ちょっと不思議な指揮者であるな、セルという人は。1963年のライブ録音。
Salzburger Orchesterkonzerte 1958-1968

Salzburger Orchesterkonzerte 1958-1968

 
いい天気。
県営プール。図書館。帰りに和菓子「餅信」へ寄ってよくばり大福を買ってくる。この時期の限定商品で、おいしいのだ。


岩田宏『渡り歩き』読了。おもしろかった。栄養たっぷりな文章で、この人は実力者だな、ってわたしのような者がいうことではないが。自分は本当にものを知らないなと思いました。文学についての文章とか、とてもついていけない。別に堅苦しいことはないですよ、むしろ洒脱なんで、ちょっとビターなのが実力者ということですね。露悪的なところもちょっとあって、しかし自信家でもあられると思います。なかなか本屋で著書を見かけた覚えがないのですが、たぶん目に入っていなかったのでしょうし、こうして文庫化して頂けるとよいと思いました。

文庫 渡り歩き (草思社文庫)

文庫 渡り歩き (草思社文庫)

 
図書館から借りてきた、『エリアーデ著作集第十巻 ヨーガ2』読了。 
ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」で、指揮は小澤征爾ボストン交響楽団NMLCD)。これまで僕は小澤征爾はクソマジメであり、それがすばらしいと言ってきたのだが、小澤のクソマジメさは僕の思っていたよりもずっと大きなものであったことを、このアルバムから感じる。まあこの曲は比較的軽量級の曲であるけれども、「ダフニスとクロエ」全曲には驚いた。誰かが小澤征爾は「努力の天才」だといっていたが、そう言ってもあるいはいいだろう。それはともかく、小澤征爾という指揮者はじつに特異なそれである。こんなに変った指揮者は、いまでは他にほとんどいないようにも思える。■武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」で、琵琶は鶴田錦史、尺八は横山勝也、ベルナルト・ハイティンク指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団NML)。武満の代表作ともいわれる超有名曲である。NML には指揮者とオーケストラの表記がないのだが、ハイティンクの指揮ではないのだろうか。いずれにせよ、この曲には圧倒される。確かにこの曲にオリエンタリズムを見ることは容易いことであろうが、そのような安直なレッテルを吹き飛ばすほどの力のある曲であると思う。ただ、射程が大きすぎて自分の感受性を超えているのもまた事実だが。