橋本治『いつまでも若いと思うなよ』

曇。
ものすごく汚らしい夢を見る。びっくり。でも、必ずしも悪いことではないのかも知れない。まずそういうものが自分の中にあるとわからなければ、どうしようもないではないか。

NML で音楽を聴く。■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第一番 BWV1001、同パルティータ第一番 BWV1002 で、バロック・ヴァイオリンはジョン・ホロウェイ(NML)。美しくて力強く、聴き応えのある演奏だ。速いところはかなり速く、フレッシュな感じも受けるのでてっきり若い人の演奏かと思っていたら、じつは現在 70歳のヴァイオリニストでした。これはよいものなので残りを聴くのが楽しみ。

Sonatas & Partitas for Violin Solo

Sonatas & Partitas for Violin Solo

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第五番 op.18-5 で、演奏はクァルテット・エクセルシオNMLCD)。■フォーレのヴァイオリン・ソナタ第一番 op.13 で、ヴァイオリンはアンドレス・カルデネス、ピアノはエリザベス・プリジェン(NMLMP3 DL)。この曲がこんなにすばらしい曲だとは迂闊だった。演奏も名演という他あるまい。ショーソンもすばらしかったが、とにかく驚きの一枚。■メシアンの「鳥のカタログ」 ~ No.4 Le Traquet Stapazin で、ピアノはチーロ・ロンゴバルディ(NMLCD)。

寒い。
昼から図書館。橋本治のエッセイ集や、音楽の本を借りてくる。ここの音楽の本はわりと充実していて、まだ読んでみたい本がいくらか棚にある。吉田秀和全集もあって、これは廃止された市内の女子商業高校の蔵書だったものらしい。ふーんと思う。吉田秀和全集を読む女子高生かあ。なかなかいいですね。ってステロタイプかな。
スーパー。

借りてきた橋本治の新書本(2015年刊行)を読んでいたのだが、最初は軽い気持ちでさらりと読み切ろうみたいなつもりだったのに、実際はあんまりしんどくなって休憩せざるを得なくなった。話がすさまじすぎるのである。バブル経済崩壊時に、「バブルなど崩壊していると言う自分が正しい」ことを証明するために高額マンションをつかまされてやって、返済が月100万円以上のローン地獄に陥る。で、「やっぱりオレが正しかった」といってオレスゲーって言っているのだが、わたしのような凡人には強がりでないというのが信じられずに読んでいてつらい。その上借金を返すためにとんでもないオーバーワークを続けた挙句、(それが原因かはわからないというが)数万人にひとりという難病を発症して入院。それもまた「こんな難病なんてオレスゲー」なのであるが、これまたわたしのような凡人には強がりでないことが信じられず、読んでいてますますつらい。というところで中断。しんどくて、読んでいるだけで病気になりそうなくらいである。なんというか、凡人にはまったく理解不能な境地だ。ああ、続きを読むのがちょっとためらわれる。


新書本を読みついでに片山杜秀さんの『国の死に方』といういかにもキワモノくさい題名の新書を発見したので、アマゾンで 1円だったら買うかな(こういうのはちょっと失礼なのだろうか)と思って見てみた。あー、1円あるあると思ってポチリとしようと見たら、何冊かある 1円本の送料がすべて 1500円なのである。出品者は「SB東京」という名前であるが、なるほど、こういうことをやっている奴らがいるのだなと呆れた。さても、いろんな人がいるな。

わたしなら『国の死に方』じゃなくて、『国民の死に方』にするだろうな。というのは冗談。

図書館から借りてきた、橋本治『いつまでも若いと思うなよ』読了。結局残りは斜め読みした。それでも「闘病記」の部分はつらい。それに、退院して歩く力がなくなり、バスに乗らざるを得ないのだが、「老いを認めたくないから乗りたくない」というのはかなわなかった。本書の前半では、「オレは齢をとんなきゃいけないと思ってきた」みたいな話が連発されるのに。で、最後は子供の頃飼っていた猫が死ぬ話。なお、本書の題名は某氏の大ベストセラー『いつまでもデブと思うなよ』の「本歌取り」である。どうでもいいけれど。

いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)

いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)