リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫(上)』

曇。
十時間くらい寝た。

NML で音楽を聴く。■シューマンの「森の情景」op.82 で、ピアノは堤聡子(NML)。別にふつうの演奏だけれども、これで充分。特に不満はない。

■バッハの「二声のインヴェンション」全曲 BWV772-BWV786 で、ピアノはシュ・シャオメイ(NML)。シュ・シャオメイのバッハはいいな。
BACH, J.S/ INVENTIONS AND SINFONIAS

BACH, J.S/ INVENTIONS AND SINFONIAS

NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第一番 op.12-1 で、ヴァイオリンはカミラ・シャッツ、ピアノはベンジャミン・エンゲーリ(NML)。ちょっと薄味かな。

 
リチャード・パワーズ『舞踏会へ向かう三人の農夫(上)』読了。柴田元幸訳。ようやく上巻を読み終えた。三つ(か定かでないところがあるが)の時代の異なる物語が並行して進むという、まあ意欲的で面倒な小説がよくやる手法が使われていて、しかも互いの関連がよくわからない。題名にもなっている一枚の写真が結節点なのだが、それ以上のことはわからないのである。しかし、多少見えてきたところもあって、どうも「文明批判」みたいなものか知らんと思われるところもあり、おそらく下巻では1929年の株価大暴落が炸裂するのでもあろうが、しかしそんなチープな「文明批判」だったらつまらないでもあろう。文体というか会話が非常にシニカルであり、シニカルさというのは「知性の証明」でもあるようだから、そんな単純な「文明批判」が主張されないことを願いたい。既に「ヘンリー・フォード批判」「第一次世界大戦批判」「資本主義批判」とも思しき描写が見られるが、それほど意外性のあるものではない。リチャード・パワーズともあろうものが(とかよく知らないが)、そんなままでは終わらないでしょう(たぶん)。下巻に続く。本書、みすず書房からの文庫化なのね。みすずって滅多に文庫化しないのだが。