筆坂秀世『日本共産党』

曇。


GTK+ で落書き 11(Ruby) - Camera Obscura
昨日寝る前に作ったスクリーンセーバーもどきが気に入っている。Ruby をインストールされている方は、よろしければどうぞ。初心者でもわかるプログラムだと思います。

夜、仕事。

筆坂秀世日本共産党』読了。10年以上前の本であるが、なかなかおもしろかった。著者は日本共産党の「ナンバー4」まで「上りつめ」た、叩き上げの共産党員であり、2005年に「セクハラ疑惑」で議員辞職、離党した。本書はそののちに書かれたものである。「セクハラ疑惑」に関してはおそらく当人のいうとおり、たいしたことではたぶんなかった。いずれにせよ、意中の男性以外の男性から女性が受けた行為は、すべて「セクハラ」になり得る時代である。それはバカバカしいが、正しいことだという他あるまい。まあそんなこんなで、著者は日本共産党に対し、きわめて率直に語っているといっていいだろう。おそらくゴーストライターの筆になるものではあるまい。ここでは10年前の日本共産党の「実情」が、赤裸々に語られている。本書を読んで、日本共産党は建前ばかりの、ひどく硬直した党にちがいないと思う人がほとんどだろう。実際それは正しいのではないか。しかし、一方で自民党の弱点、民進党の弱点もあるのであり、完璧な党などは存在しない。ただ、本書にはある種の政治の実情が描かれていると思う。それが隠れていないのが、本書のいちばんいいところなのではないかと感じた。幼稚な感想になるが、自分は政治というものが少しづつ見えてくるにつれ、ますます政治の実情が難解なものであると思うようになってきた。まあ何というか、「いい人」では政治はできないのである。しかし、私利私欲にまみれているようでもいけない。理想だけでは政治はやっていけないが、理想を忘れると無用有害な政治家にしかならない。そんなところである。

日本共産党 (新潮新書)

日本共産党 (新潮新書)

アマゾンのレヴューでは本書を読んで共産党は無用であると確信した的なものが見られるが、なかなかどうして、地方議会などを見ているとその共産党ですらマトモというか、共産党の議員がいなければどういうことになるか知れたものではない、とてつもない議員たちの集団なのである。まったく、私利私欲の追求以外に、何をやっているのか皆目わからないといいたいくらい、立派な人たちのようである。世の中は立派な人たちに満ちあふれているものだ。

優雅で感傷的なワルツでも踊るか。ひらら。