吉田秀和『二度目のニューヨーク』 / 「凪のあすから」(2013)を観る

晴。朝から暑くなってきた。
 
スーパー。オリーブオイルが倍くらいの値段になっていて、いったいどうしたことかと思う。検索してみると、ヨーロッパでの生産国であるスペインやイタリアでオリーブが、異常気象で不作とのこと。この傾向はさらに続きそうだと予測されている。
 
昼。
散髪。めっちゃすっきりした。いつも聴いているだけのテレビのワイドショーは、今日は特に大した「事件」がなかったらしく、暑い夏がやってくる話とか、高速道路での逆走についてだとか、まあそんな感じだった。
 
NHK+ で「クラシック音楽館」を視聴する。ブルックナー交響曲第七番で、指揮はクリストフ・エッシェンバッハNHK交響楽団。第2008回定期公演。わたしはブルックナーがわからない人だが、エッシェンバッハN響というので聴いてみた。ブルックナー、甘ったるくてシンプル退屈な音楽にしか聴こえず、しかも死ぬほど長いという、ほとんど拷問であるが、自分のわからないものも時には聴いてみないといけないのである。
 
図書館から借りてきた、吉田秀和『二度目のニューヨーク』(1989)、途中から拾い読みして読了。読んでいてなにか自分の貧しさが堪えられなくなってきて、興味あるところだけ読んで済ませた。わたしが精神の貧しい、孤独な田舎者に過ぎないとつくづく思い知らされ、それが真実ではあるのだが、あまり愉快でない。正直いって、でもその貧しい中で、何も考えずに貧しいまま、シンプルに音楽を聴き、また「芸術」に触れたりしたいなと思う。というか、「文化」や「芸術」と意識するのさえめんどうくさい。どうせ何もわかっちゃいないのだが、そのまま抱えて孤独に闇の中へ消えていけばいいじゃないか。とかね。

しかし、(精神が)貧しい貧しいって、うるさいよね、オレは。
 
夜。
寝ころがって iPad mini でガヴリーロフのフランス組曲(第三番、第一番、NML)を聴く。
 
岩波文庫の『サラゴサ手稿』、上下巻をカルコスにて購入したが、じつは中巻があると知る。カルコスにはなかったようだが、わたしの見落としかも知れない。品切にならないうちに、中巻をネットで注文。
 
 
凪のあすから』(2013)第26話(最終話)まで観る。うーん、そうかー、こういう終わりかー。もちろんハッピーエンドではあるけれど、完全なそれじゃない、あのコがあぶれちゃうんだな。しかたがないけれど、ビターでこれはちょっと予想とちがった。
 いずれにせよ、これまで観たアニメの中でも五本の指に入る傑作。ここまで独特の世界観をもった作品は、他に思いつかないほど。想いの錯綜するラブストーリーを中心にして、この独自の世界が回転する。アニメの荒唐無稽さがよい方に出た、最良の作品のひとつといいたい。P.A.WORKS の代表作だろう。