ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』

晴。
 
Sir Simon Rattle dirigiert Mozart | Elbphilharmonie LIVE | YouTube
昨日の続き。サイモン・ラトルモーツァルト「三大交響曲」の演奏会から、第四十一番 K.551 を聴く。どの楽章もすばらしいが、特に終楽章が名演で泣かされた。やっぱりラトルすごいな。こうなると、いわゆる「ハフナー」「リンツ」「プラハ」の諸シンフォニーも、ラトルの指揮で聴いてみたくなる。オケはマーラー室内管弦楽団、5.16、エルプフィルハーモニーにおけるライブ録音。
 

キキョウソウ(桔梗草)。外来種の強い雑草。花はきれいだが蔓延ると厄介だ。

ウコン(鬱金)の花。ピントが合わなくて撮れなかったが、ある花に小さなベニシジミが留まって、じっと蜜を吸い続けていた。
 
昼。
NML で音楽を聴く。■ショスタコーヴィチのチェロ・ソナタ op.40 で、チェロはドーラ・コカシュ、ピアノはマリアンナ・シリニャン(NML)。NML の新着をチェックしていて、この演奏を聴き始めて卒然と、かつて吉田秀和さんが書いていたことを思い出した。もしショスタコーヴィチスターリン政権下のソ連に生きていたのでなかったら、いったいどういう音楽を書いていたのだろう、というような。吉田さんは確か、リン・ハレル+アシュケナージの録音について、こう書いておられた(わたしは大昔に、これを読んでその CD を買った)。なるほど、この曲はショスタコーヴィチアイロニーや諦念、絶望や鎮魂という要素はあまりなく、比較的素直に書かれているように聴こえる。そして、ふつうにいい曲だ。
 チェリストのドーラ・コカシュについては、わたしは何も知らないし、検索にもほぼ引っかからない。ピアニストのマリアンナ・シリニャンについては 2023.7.9 に、このブログで肯定的に言及している。
マリアンナ・シリニャンのショパンを聴く - オベリスク備忘録

 
R. Schumann - Sinfonia no. 3 op. 97 "Renana" (Berliner Philharmoniker - Riccardo Muti) | YouTube
シューマン交響曲第三番 op.97 で、指揮はリッカルド・ムーティベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。1994年のライブ録音。ベルリン・フィルのゴージャス・サウンド! 特に両端楽章に感動した。ムーティはまだ五十代前半か。
 
 
珈琲工房ひぐち北一色店。
ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』(文庫版2017)読了。「盗まれたシャツ」「彼岸へ」「戦闘の時」「ハイファに戻って」を読む。本書について、わたしごときが語り得ることは何もない。岡真理先生の『ガザに地下鉄が走る日』等と共に是非読まれたい。
 わたしはパレスチナに関する事実を少し知っていて(そもそも無知は罪である)、彼らが声を挙げているのも知っているのに、何もしない偽善者である。そして、残念ながら、偽善者はわたしだけでない。たとえ本書を読んだからって、免罪されるというのか? 本書に、「自分が手を下した当の人間の葬列に、平然と加わるような人間」(p.147)という言葉がある。これは、誰のことか? そう、それはまずは欧米人たちのことだ。でも、本当に我々はそうでないのか? なぜ我々は免罪されるというのか?我々において、「人間の尊厳」というのは既に失われている。空語だ。
 
夜。
ベートーヴェン交響曲第六番 op.68 で、指揮はフリッツ・ライナー、シカゴ交響楽団NML)。

 
坂本龍一|モーツァルト ピアノソナタ 第12番ヘ長調 K.332 第2楽章(スコラ音楽の学校より) | YouTube
 
凪のあすから』(2013)第4話まで観る。いつか観たいと思っていた、P.A.WORKS の代表作のひとつ。もう最初から名作感が漂っているな。いわれているとおり、海と陸が渾然となった、唯一無二の世界観。美しい作画。