小澤征爾とアルゲリッチの1983年のベートーヴェンに驚く

日曜日。晴なれど雲多し。
早起き。今朝は少し涼しい。昨晩は雨が降ったらしい、知らなかった。
 
Mao Fujita / W.A.Mozart : Piano Concerto No.24, K.491 | YouTube
藤田真央による、モーツァルトのピアノ協奏曲第二十四番 K.491で、2017.8.25、第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールにおけるファイナルステージでの演奏。
 まずは立派な演奏、ここまで弾ければとりあえず充分だと思う。やはり国内の若手音楽家の中では、飛び抜けた才能だな。いや、才能だけなら、確実に世界レヴェルだろう。
 ただ、これは日本人音楽家に共通していえることだが、どうも西洋的な意味での「個性」が弱い感じがするのも確かで(それはいい方に作用することもある)、この人のピアノをもっと聴いていたいって思わせる力が、ちょっと弱いように(わたしには)聴こえる。実際、この演奏も何度も途中で聴きやめようかなと思った。それから、わたしの好みかも知れないが、この曲はいわゆる「短調モーツァルト」で、そこにある惻々とした感じというか、デモーニッシュな感じというか、そういうのがあまり聴こえない。楽天的なのだ。
 藤田真央は確かに飛び抜けた才能をもっているのだから、あとは深みみたいなのがもっと出てくると、と思うところである。なお、付け加えておけば、このクララ・ハスキル・コンクールでは優勝しているので、それなりに高く評価されたことはまちがいない。当時、まだ18歳というし。
藤田真央を聴く / 「神のみぞ知るセカイ」(2010)を観る - オベリスク備忘録
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NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番 op.15 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチ、指揮は小澤征爾バイエルン放送交響楽団NML)。1983年のライブ録音。小澤征爾さんとアルゲリッチは音楽的にベスト・パートナーを公言していて、共演も多い筈なのだが(詳しくは知らない)、録音は小澤さん最晩年の、水戸室内管とのベートーヴェンくらいしかわたしは知らない。たぶん、レコード会社の契約の事情とかなんだろうが。
 で、これなんだが、わたしはこの録音の存在を知らなかったのだけれど、聴いてみて、唖然とした。もちろんこの曲の演奏はこれまでたくさん聴いてきたが、まあ、いまだからそう思うのかも知れないが、軽くこれまでのベストでしょう。ふたりの息がぴったりで、特にアルゲリッチはノリノリ、信じがたい生命感を発揮して、キラキラ輝いている。これはもう、小澤征爾の最高のサポートのおかげだよね。ま、これ以上のことはわたしにはいえない。聴いていて、なんか悲しくなって泣けてきた。現在ではこんな演奏は、誰にも不可能である。
 CD はこれだろうか。

 
昼。
ドラッグストアまで歩く。まだ暑くて歩けないということはない。

ヒメジョオン(か、ハルジオンか)。

辛子とアイスクリームを買う。
 
夜。
何か気鬱でしようがないので、以前アニメを観ておもしろかった『異世界迷宮でハーレムを』のコミカライズ版(既刊10巻)を、鬱しのぎに読む。夜の営みがガッツリこれでもかと描かれて、女の子もかわいく、紳士以外は決して読んじゃダメなマンガなのだが、話は地道で本格的な、RPG的ダンジョン攻略の物語で、なかなかおもしろく読んだ。主人公も「ハーレム」とかいってる割に、そんなに悪くもない、ふつうの人間で、読んでいて嫌な感じはなかった。でも、皆さんはきっと読んじゃダメですよ。これを読むとアニメ化も成功しているのがわかる。原作はいわゆる「なろう」小説。