湯澤規子『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』

晴なれど雲多し。
昨晩は遅くまで『ニセコイ』を観返していたせいか(アホだなあ)、少し寝坊する。
 
Beethoven Piano Concerto No. 4 - Perahia, London Symphony Orchestra, Haitink (Oct. 1, 2015) | YouTube
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第四番 op.58 で、ピアノはマレイ・ペライア、指揮はベルナルト・ハイティンクロンドン交響楽団。(ほとんど存在しなくなった)現代の巨匠たちによる、地味で(クソがつくほど)マジメなベートーヴェン。重心が低く、こういうのが精神の土台なんだよなと思う。地味すぎ? でも、敬愛を抱かずにはいられない。2015.10.1、NHKホールにおけるライブ録音。ハイティンクとしては最晩年の演奏になる。
 

桔梗。きれいな正五角形的対称性。
昨日は美濃市猛暑日など、暑い日が続いているな。
 
ブラームス/交響曲 第2番 ニ長調 作品73|クリストフ・エッシェンバッハ - NHK交響楽団 | YouTube
エッシェンバッハN響という信頼のブランドによるブラームスブラームスの音楽はダサく、古くさく、田舎くさく、土くさいが(また、わたしはそれを彼に求めている)、それを現代的にアップデートして、都市のモダンな感覚を入れたものというか。正直いってちょっと戸惑ったのだが、聴いていくうちに、これはこれですばらしいかなと思った。特に後半分がよかった。また、N響は何といっていいかわからないが、ヨーロッパにもアメリカにもない独特の一流オーケストラで(弦セクションが特にいい)、フレッシュにして魅力的である。2024.4.29 のライブ録音。
 
昼。曇。
第680回:コロナ禍、冷酷だった小池都政を振り返る。の巻(雨宮処凛) | マガジン9
 
昼寝。
 
珈琲工房ひぐち北一色店。おいしいコーヒー。
 図書館から借りてきた、湯澤規子『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』(2023)読了。承前。ちょっと自分の能力を超えていたが、それでもおもしろい本だった。フェミニズム(という語は本書で使われていないと思うが)の問題意識に貫かれた、いまを呼吸している貴重な研究書だと思う。「日常茶飯」をよく生きること、それは人生において、決してどうでもいいことでなく、むしろそれこそが「生きる」ということなのだ、と。そして、(女性が工場などで)「働く」ということ、自分で自分の食い扶持を稼ぐということが、「女性の解放」においていかに重要であったか、いまもあるか、ということ。いまは男性にせよ、女性にせよ、「働く」ということが藪に入ってきてしまっている時代であるからこそ、その「原点」を見直すことは、重要であるようにわたしには思えた。我々の一部にとって、「労働」が解放ではなく、何か生の拘束にすらなりつつある状況を、どう考えるのか。わたしの連想は、そんなところまですっ飛んでいってしまった。
 それにしても、工場などで働き始めた頃のアメリカの女性の日常の「充実」、それは確かにまだ男性と対等にはなってはおらず、男性や古い社会からの抑圧もあろうが、どこかいきいきとして、新しい時代を切り開いているという感覚、そんなのは確実にあったようで、現在の我々からはある意味で失われてしまったような気もして、わたしは複雑な気持ちになる。我々の知的・文化的退廃は、生きることと関係がないどころか、我々の生自体を退廃化させてはいないか。好きでもない仕事を日々こなしながら、空いた時間は高度資本主義が次々に供給してくる文化コンテンツを消費しつつ、英気を養うという生活――わたしはそれを決してバカにしないが、これでいいんだろうかとちょっと思う。
 そして、本書で強調される、女性の「教育」。いまの日本ではほとんどの人間が高等教育を受けることができるようになったが、それは却って生の束縛になっていないか? いや、それはあまりにも悲観的で、事実とちがうのかも知れないけれども。我々は、喜んで学び、喜んで働き、生活に満足できているのか。世間を知らないわたしは、よくわからないのである。って、本書から遠いところまで来てしまったが。

 
帰りに肉屋。豚ヒレ肉がケースに出ていなかったので、訊いてみたところ、切り出してくれたのだが、580g と大量になっちゃった。割引になっている牛肉も買う。
 
夜。
ハイスクールD×D NEW』(2013)第3話まで観る。2期。OVA とか、超下らなくてよかったんだけど、2期はかなりシリアスで雰囲気がちがうな。H なところとかは、あいかわらずなんだが。まあ、ふつうに充分おもしろいけれどね。