ハーバート.A.サイモン『意思決定と合理性』

晴。
接続と統合。統合には危険がある。統合失調症はまさしくその危険(だから、「精神分裂病」よりも「統合失調症」と云う方がやはり適切だと思う)。鬱病は接続と統合の関係がうまくいっていないのだと思う。統合の中心と日常の意識の中心が合っていないというか。どちらかというと統合の力の方が弱いのかも知れない。
 二十世紀は統合失調症の時代だったが、いまは鬱病の方に重心が移っている。まさしく時代の病。浅田彰さんが云う「スキゾ・キッズ」というのは、「スキゾ」から連想される統合失調症よりも、どちらかというと鬱病の危険がある。統合を避けて軽やかに移動し続けられているうちはいいが、どうしようもない重力に捉えられてしまうと危険。それだけでは脱出不可能だからだ。「リゾーム」というのはまさしく鬱病的である。統合失調症は意識化しようという危険であるが、鬱病は無意識的で底知れぬ深さがある。前者はシャープであり、後者はディープである。前者に妄想が出るのは、それが意識化の病だからである。

県営プール。水温は29.9℃で、水に入ったときはちょっと冷たいが、泳いでいるとちょうどよくなってくるという温度だった。
ハーバート.A.サイモン『意思決定と合理性』読了。

意思決定と合理性 (ちくま学芸文庫)

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