柴崎友香『きょうのできごと』

2014年晩夏・秋_23曇。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ四重奏曲変ホ長調K.493(メニューイン・フェスティバル・ピアノ四重奏団、参照)。演奏はいまひとつ。■マーラー交響曲第一番(アバド参照)。何という演奏! アバドのオーソドックスにして熟れた音楽作りも素晴らしいし、何と言ってもベルリン・フィルの鳴りっぷりが凄まじい。この音響の迫力に圧倒される。そして、その響きの甘やかさ。これこそ超一流オーケストラの力だ。考えてみれば、アバドは超一流のオケとばかり仕事ができているなあ。それもさもありなん。■メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(諏訪内晶子アシュケナージ)。日本人の音楽家を正確に批評するのはむずかしい。自分に近すぎるのだ。この演奏は、少なくとも終楽章はチャーミングだった。

メンデルスゾーン、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

メンデルスゾーン、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲


県営プール。
柴崎友香きょうのできごと』読了。だいぶ前に「ブ」で買ったもので、何となく読んでみた。ちょっとした飲み会に集まった学生たちの、恋愛も含む微妙な心の動きを、淡々と描いた小説とでも云おうか。色々な登場人物たちが語りになる、連作短編集の形を取っている。舞台になっている京都の出町柳駅付近が、偶々自分のよく知っている場所であることもあって、楽しく読めた。でも、感性は今風で、自分のもっていないものであり、相当の修行になったことは記しておこう。今の若い人なら、自然に入っていける小説だと思う。著者の小説は、また他に読んでみてもいいな。
きょうのできごと (河出文庫)

きょうのできごと (河出文庫)