アゴタ・クリストフ『悪童日記』

曇。のち雨。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ四重奏曲ト短調K.478(メニューイン・フェスティバル・ピアノ四重奏団)。演奏は凡庸だが、終楽章はちょっとチャーミング。

Piano Quartet G Minor / Piano Quartet E Flat Maj

Piano Quartet G Minor / Piano Quartet E Flat Maj

ドヴォルザークピアノ五重奏曲op.81(ヤナーチェクQ、エヴァ・ベルナートヴァ、参照)。佳演。■シェーンベルク:五つの管弦楽曲op.16、ウェーベルンパッサカリアop.1、ベルク:ソナタop.1(Theo Verbeyによる管弦楽編曲版)(シャイー、参照)。シェーンベルクは、これ本当にシェーンベルクかというくらい聴きやすい。ウェーベルンはもっと濃厚なのが好み。■ブラームス:幻想曲集op.116(コヴァセヴィチ、参照)。あまり馴染みの薄い曲もある。四曲の間奏曲がいい。■バッハ:パルティータ第二番BWV826(ヒューイット、参照)。なかなかの演奏。

アゴタ・クリストフ悪童日記』読了。これって本当に傑作なのだろうか? 自分にはどうもそうは思えなかった。主人公であるイカレタ子供たちにリアリティがないため、本書はどうしても寓話として読むことになる。しかし、エピソードは紋切型だし、描写も気が利いているわけではない。著者の戦争体験がいかに深刻なものであったにせよ、小説化には失敗しているように思った。まあ、この子供たちは一種のトリックスターだなどと古びたことを書けば、多少は「知的」に見えるかも知れないが。そう、この小説はあざといのだな。各国でベストセラーになったということではあるけれど。
悪童日記 (Hayakawa Novels)

悪童日記 (Hayakawa Novels)