野田又夫『哲学の三つの伝統』/アラン・シリトー『土曜の夜と日曜の朝』

曇。のち晴。
音楽を聴く。■シューベルト弦楽四重奏曲第十四番「死と乙女」、第十二番(コダーイQ)。朝起きて、猛烈に(?)「死と乙女」が聴きたかったので、聴く。長い曲なので普段はあまり聴かないのだが、いったん聴き始めると五十分があっという間なのがこわい。コダーイQの演奏はかなりいいのではないか。

String Quartets I

String Quartets I

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第四番K.282(内田光子)。どうもピンとこない。内田光子はすごいピアニストであるが、コントロール感が強すぎるような気もする。すべてを意識化せずにはいないと云うか。こういうシンプルな曲でも、指に任せるということがない。また、繰り返しも弾かない。

県営プール。
野田又夫『哲学の三つの伝統 他十二篇』読了。著者は、東洋思想を内在的に把握しているのだろうか。浅はかな知識を西洋哲学で切っているだけなのではないか。アラン・シリトー『土曜の夜と日曜の朝』読了。読み終って何を書こうかと呆然としていたが、河野一郎の解説を読むと、上手いこと文学史に回収するものだと思った。なるほど、勉強になります。自分はラストで、こんなアーサーのようなピカロでも、女は飼い慣らしちまうのかと落胆(?)した。いつまでもバカをやっていられないということかも知れないが、け、結婚ですか? うーむ。
 文学史的には、シリトーは労働者階級から、労働者階級の言葉をもって登場したイギリスの作家ということになり、本書がデビュー作で、これで一躍有名になったという。もちろん『長距離走者の孤独』はよく知られていよう。本書には、主人公の名前はちがっているが、続編らしいものがあり、全部で三部作だという。それらは邦訳されているのかな。
土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)

土曜の夜と日曜の朝 (新潮文庫 赤 68-2)


音楽を聴く。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第九番ハ長調op.59-3(エマーソンSQ)。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第三番K.281(内田光子)。