晴。花粉症がひどくて、目が痒い。
図書館から借りてきた、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン『反哲学的断章』読了。丘沢静也訳。ウィトゲンシュタインは、むずかしいところで楽に息をしていて、やさしいところを攻めるのに難渋しているように見える。じつに奇妙だ。
ウィトゲンシュタインは音楽が好きなようだが、そのコメントが面白い。ブラームスを異様に過大評価し、ブルックナーとシューベルトを好み、メンデルスゾーンを過小評価し、マーラーを無価値だと断じる。意外な感じもするし、よくわかるような気もする。
ところどころに、変な断章が混じっている。「ファイリングキャビネットの適当な場所に、新しい引き出しをひとつつけると、信じられないほど便利だ」って何?思わず笑ってしまう。
- 作者: ルートヴィヒヴィトゲンシュタイン,Ludwig Wittgenstein Vermischte Bemerkungen,丘沢静也
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1999/07/01
- メディア: 単行本
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文庫解説には教えられるところが多かった。とにかく、シュミットは、もっと文庫になってもいい、重要な思想家ではあるまいか。
ところで、本書の内容とはまったく関係ないが、本文庫の無意味に上質な紙は、これはどうしたことなのだろう。カラー図版が収められているわけでもないのに。値段の高い文庫なのだから、こんなところに凝らずに、安くしてくれると有難いのだけれども。
- 作者: カールシュミット,Carl Schmitt,服部平治,宮本盛太郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/03/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 古市憲寿
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 単行本
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音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ・ソナタ第二番、第三番(バレンボイム)。バレンボイムは、必ずしも技巧家ではないな。感性が見事なタイプの音楽家。