神林長平『敵は海賊・正義の眼』

雨のち晴。
神林長平敵は海賊・正義の眼』読了。高校(中学?)生のときからつき合っている神林だが、最近はあまり読んでいなかった。本書も買ってから、五年間弱は放りっぱなしにしており、気まぐれで手に取ってみたのだった。この「敵は海賊」のシリーズ(『敵は海賊海賊版』が最高傑作)はずっと好きで、主要登場人物には多少の思い入れがある。本書は、自分にはまあまあ面白いというくらいのものだが、懐しいことは懐しかった。海賊課の活躍するところはあまりないし、ヨウメイも影が薄いのは残念。ヨウメイが「絶対悪」ということだが、現実には、「絶対悪」などというものはないと云うべきである。ヨウメイと「似た匂い」のするというリジー・レジナは、これは「絶対悪」ではないだろうから、では「絶対善」なのか。これもまた、あり得ない観念である。

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)

敵は海賊・正義の眼 (ハヤカワ文庫JA)


iPodで遊びまくりで、本が読めない… それにしても、慣れれば何という使いやすさ。普段聴かない曲(例えば、シューマングリーグシベリウス弦楽四重奏曲)を入れておいて、ちょっとした時間に聴けるというのがいい。モーツァルトのピアノ協奏曲は、バレンボイムの全集を放り込みましたよ。