田中純『建築のエロティシズム』/兵藤裕己『平家物語の読み方』

晴。
大垣。ペライアの弾くバッハのピアノ協奏曲集を聴きながら、車の運転。グールド以降、ピアノによるバッハの演奏も増えてきたが、それでもグールド以外に選択肢の少ない曲を録音してくれる、ペライアの存在は貴重だ。演奏はどれもオーソドックスなもの。多少無骨かなという感じで、よくいえば神経質でない。最近のペライアは、どのディスクもいいのではないか。手の故障の前よりも、今の方がいいと思う。

Murray Perahia-Bach Piano Concertos

Murray Perahia-Bach Piano Concertos


田中純『建築のエロティシズム』読了。副題「世紀転換期ヴィーンにおける装飾の運命」。モノクロだが、図版が面白い。アルマ・マーラーの等身大裸体人形など、ココシュカのほとんど狂気を感ずる。ヴィトゲンシュタイン設計の建築も、名高いものだが写真は初めて見た。本文は正直言って、自分にはどうでもいい。兵藤裕己『平家物語の読み方』読了。自分の無知を思い知らされた。「畿内」(大和・山城・摂津・河内・和泉)と「畿外」の区別というのは、興味深い。ミヤコの人々にとっての世界とは、この「畿内」のことだったのだ。これは平家物語に限らず、他にも応用が利きそうである。
平家物語の読み方 (ちくま学芸文庫)

平家物語の読み方 (ちくま学芸文庫)