阿部和重『ミステリアスセッティング』/セネカ『生の短さについて』/宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』

振替休日。晴。
阿部和重『ミステリアスセッティング』読了。傑作だが、主人公のシオリはちょっとかわいそうすぎないか? しかし、シオリの転落を描きながら、作者はマジで書いているのか何なのかわからなくて、そこはかとないユーモアが醸し出されてしまっているのが恐しい。

ミステリアスセッティング (講談社文庫)

ミステリアスセッティング (講談社文庫)

セネカ『生の短さについて』読了。大西英文訳。古典ということを意識した訳文になっている。(なお、岩波書店のミスかもしれないが、岩波文庫の旧訳(茂手木元蔵訳)とISBNコードが同じで、区別がつかない。)
生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』読了。読んでいない話が結構あるな。「セロ弾きのゴーシュ」の動物たちの可愛らしいふるまいは、まるでマンガのよう。「猫の事務所」の獅子は、必ずしもかま猫を助けようとしたわけではないのかもしれない。
新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)