野口廣『トポロジーの世界』/見田宗介『宮沢賢治』/初音ミクのCD

日曜日。春分の日。曇。
JTBイトーヨーカドーNHK世論調査員につかまる。たぶん初めてのことじゃないか? 民主党支持と言っておきました。「鳩山内閣を応援しますか。」します。「政治とカネの問題を考慮しますか。」考慮しません! 誘導尋問か。アホクサ。
野口廣『トポロジーの世界』読了。七十年代のトポロジー本。気さくな語り口だが、語られている本質は、そんなに易しい本ではない。ブローウェルの不動点定理というのは、そういうことですか。後半の、トポロジー脳科学への応用の試みなどは、なかなか挑戦的だ。こういう研究を受け継いでいる人は、今でもいるのだろうか。

トポロジーの世界 (ちくま学芸文庫)

トポロジーの世界 (ちくま学芸文庫)

見田宗介宮沢賢治』読了。繊細な、良い評論だ。賢治の「焼身幻想」という指摘には驚かされた。確かに「よだかの星」も、最後は焼身したと読める。また、こんな一節もある。「…賢治は協会の活動の無償性をつらぬく一方で、<粗食と労働>だけは現実の下層農民に限りなく近いと観念されるところにまで同致していた。けれども賢治の、富豪の御曹司としての社会的存在を集約している身体(二字傍点)は、下層農民のそれとおなじではありえなかった。賢治はたとえば、農耕のつかれが『頭脳の働きを低下する』という単純な事実にさえあらためて愕然としなければならなかった。」(p.220)
宮沢賢治―存在の祭りの中へ (同時代ライブラリー)

宮沢賢治―存在の祭りの中へ (同時代ライブラリー)

とりあえず、初音ミクのCD(レンタル物だが)を聴いてみる。へー。なかなかいい曲が多いではないか。ヴォーカロイド「初音ミク」は歌詞が聞きとりにくいのが難点だったが、歌詞カードを見ながら聴くと、印象も違って、これは大したものだと思った。意外とアルバムとしての一貫性も感じられる。この舌足らず(にしか作れなかったのだと思うが)の歌い方が、慣れてくると却ってかわいらしいのかも知れない。しかし、恐らくみな素人の作った曲だと思われるが、素人畏るべしである。自分の好き勝手に曲を作っているのがみえて、楽しい。
初音ミク ベスト~memories~

初音ミク ベスト~memories~