ウェルギリウス『アエネーイス』

晴。

NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンの創作主題による六つの変奏曲 op.34 で、ピアノは園田高弘NMLCD)。

昼寝。
部屋の掃除。

■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番 BWV1004 で、ヴァイオリンはゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(NMLCD)。この曲というとどうしてもシャコンヌということになるが、最初こそ多少軽量かなと思ったものの、見事な演奏でした。演奏者の生き方みたいなものまで表れてしまう曲であるが、ここまで弾ければ大したものだと思います。感動しながら聴きました。澄んだ音の美しさといい、古楽ヴァイオリン特有の和音の豊かさも印象的だった。


図書館から借りてきた、ウェルギリウスアエネーイス』読了。岡道男・高橋宏幸訳。読んでいる最中は感想を書くつもりだったけれど、訳者解説を読んで自分の読みがいかにも浅いことに気づいたので止めておく。だいぶ昔に岩波文庫版を読んだ筈だが、まったく覚えていなかった。こんな話だったのか。幼稚な感想をひとつだけ書いておくと、この『アエネーイス』はホメロスの『イーリアス』『オデュッセイアー』を念頭に置いているのはもちろんであるが、ホメロスに比べて主人公のアエネーアスの人物像がいまひとつ鮮明でないような気がする。今風にいうと、アエネーアスの「キャラが立っていない」のである。『イーリアス』でのアキレウスの怒りにせよ、『オデュッセイアー』でのオデュッセウスの知謀にせよ、そのイメージが彷彿としてくるのに対し、アエネーアスは英雄というだけで、個性があまり感じられないように思われる。それに、カルタゴがいかに現実のローマの敵だったにせよ、いちど男女の契りを交わしたカルタゴ女王を、神々の下らない干渉によって裏切って平然としているのは、あまり気持ちのよいものではなかった。ホメロスにも盛んに神々の干渉はあるが、『アエネーイス』における神々の干渉は正直言ってウザい感じである。
 ああ、ついつまらぬことを書いてしまった。もとより詩を翻訳で読むというものがどうかという話もあるが、そんなことを言ったらわたしなどは外国文学に触れることができなくなってしまう。かつての訳はかなり読みにくい印象であったが(自分の能力不足の可能性あり)、本書はそんなことはなかった。

アエネーイス (西洋古典叢書)

アエネーイス (西洋古典叢書)

なお、自分は特にメモも取らずに読んだが、正確に読もうとすればそれでは無理である。本文では人物の説明などはとても少ないので、これ誰だっけということになる。まあ、そんないい加減な読書でした。


■トイヴォ・クーラの「祝典行進曲」op.13b で、ピアノは Adam Johnson(NMLCD)。■ブラームスの四つのピアノ曲 op.119 で、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ(NMLCD)。グールドの「間奏曲集」のディスクが好きな人は、このコヴァセヴィチも聴くといいよ。アプローチは全然ちがうけれど、どっちもカッコいいから。■ブラームスの二つの歌 op.91 で、メゾ・ソプラノはアン・マレイ、ヴィオラ今井信子、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ(NMLCD)。■バッハのフランス組曲第六番 BWV817、第二番 BWV813 で、ピアノは岡田美和(NMLCD)。ひどい言い方かも知れないけれども(お許しを)、これで充分なのだよね。これ以上いらない。フランス組曲ってまさにこういう曲。■ドビュッシーの「映像」第一集で、ピアノは岡田美和(NML)。いや、これ、悪くないですよ。日本人ピアニストの美質がよく出ている。

岡田 美和 レ・パルファン

岡田 美和 レ・パルファン