細谷雄一『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』

晴。
夢に小中学生のときにちょっと不思議な関係だった女の子が出てきた。それほど仲がよかったというわけでもなかったのだが、詳述しないけれど、いまでもふと思い出すことがある。彼女は何かの象徴なのだろうが、何の象徴なのかよくわからない。ただ、自分がもはや若くないということと関係がありそうな気もする。もう、恋愛とかそういうことは忘れなさいという無意識の教えと思わないでもない。

NML で音楽を聴く。■ノーノの「兄弟よ何処へ?」、「生命と愛の歌~広島の橋の上で - 第2曲 ジャミラよ朝は近い」、「それはやさしい沈黙」で、演奏はノイエ・ヴォーカルゾリステン・シュトゥットガルトNMLCD)。

■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第一番 BWV1001 で、ヴァイオリンはゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(NML)。きわめて音がきれいでピュアなヴァイオリンである。美しいといったらない。どうやらピリオド楽器のようであるが、現代楽器と変わらない運動性をもっていて、鬼に金棒というか、すばらしい出来栄えである。ヴァイオリニストについては何も知らないが、いわゆる「精神性」みたいなものも欠けてはおらず、深くて美しいバッハだ。残りを聴くのが楽しみで仕方がない。

J.S.BACH/ SONATAS & PARTITAS

J.S.BACH/ SONATAS & PARTITAS

ドビュッシー前奏曲集第一巻で、ピアノはファジル・サイNML)。最初の方は、なんだこりゃ、全然ふつうじゃないかと思って聴いていたが、やはりファジル・サイ、頑張りましたね。ドビュッシーは巨大だ。まあ、曲によってムラがある演奏ではあるが、それもサイらしいといえばそうであろう。


昼からミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。クレームブリュレドーナツ アップルシナモン+ブレンドコーヒー442円。細谷雄一の近代史を読んでいたのだが、おもしろいというか、とにかくかなりたくさんのページ数を読むことになった。そして、非常に気が滅入った。基本的な筋書きとしては、近代日本が欧米外交のデファクトスタンダードを知らなかったために、一部に明敏な識者がいたにもかかわらず、ことごとく外交で失敗したというものである。そして、さらには第一次世界大戦以降の国際的な平和指向を率先して破壊し、第二次世界大戦の導火線となったというのだ。その過程で、日本人は現在太平洋戦争時のアメリカによる無差別爆撃を非難するけれども、じつはかかる無差別爆撃を始めたのは悪しき日本であるというような事実が強調される。ついには日本は外交的にまったく八方塞がりになり(例えば無意味な「日独伊三国同盟」の締結など)、太平洋戦争での悲劇を招いた。一方で、ファシズムに断固対決したチャーチルなどが英雄視される。――まあ自分はそんな風に読んだが、もしかしたら悪意に満ちた読み方なのかも知れない。まあ何でもよいが、とにかく日本人の愚かしさをこれでもかと見せつけられて、本当に気が滅入った。本書はシリーズものなので、続編も読むつもりではあるが。
 それにしても、著者はいわゆる「村山談話」などにも否定的なのだな。ムダに外交の「パンドラの匣」を開けてしまった、愚策であると評価される。著者はわたしより三歳ほど年下であるが、おそらくは現在の日本がまた欧米流の外交のデファクトスタンダードに無知であるという認識で、それに強い危機感をもっておられるようだ。別に日本人が一般に愚かであるというような主張ではもちろんないが、愚かなわたくしにはそれも同然の効果を与えて、陰々滅滅たる気分である。なお、本書は現在の若くて優秀な学者たちから評価されていると思しい。なかなか愚かなおっさんにはつらいものがありますな。

「古い日本=クソ」「欧米=正義」なのですな…。「古い日本=クソ」たるわたくしであってみれば、何かもう老害はただ消え去るのみという感じもする…。いや、「アングロサクソン=正義」なのかな。めちゃめちゃな誤読でしょうが。さてもみなさん、本書を読みましょう!

細谷雄一『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』読了。まあ上に感情的なことを書いたが、よい書物なのであろう。かかる歴史が「正しい」というなら、それでもよい気がする。まさしく、未来の日本は若い人たちのものだ。我々老害はただ消え去るのみであり、実際にそうなってもいるのだ。これからの日本は希望に満ち溢れているのであろうな。続巻も読もうと思う。

先日メインの PC(VAIO)のブート関連を弄くっていたせいであろう、先ほど Windows 8.1 を立ち上げた後、再起動したらデュアルブートしている Linux Mint 18.3 が起動しなくなってしまった。まことに Windows とのデュアルブートは危険である。まあ仕方がないので、サブの PC で USBメモリに Lubuntu 18.04 のイメージを焼き(Lubuntu にした理由は軽量 Linux だから)、VAIOBIOS からいわゆる「お試しモード」で Lubuntu を立ち上げる。で、Synaptic から Boot-Repair というアプリをインストールして、ブートの修復をおこなってみた。Recommend そのままにやっただけであるが、Lubuntu の USBメモリを取り除いて再起動してみたところ、うまく修復されていた。かつては大変に苦労したブート関連の修復も、最近では簡単になったものである。ふう、なんとか助かった。

なお、Boot-Repair はブート関連の修復をおこなうだけで、WindowsLinux などの OS の修復をおこなうものではありません。