阿部和重『プラスティック・ソウル』

曇。
よく寝た。


バッハのパルティータ第一番 BWV825 で、ピアノはアナトリー・ヴェデルニコフ


ベートーヴェン交響曲第五番 op.67 で、指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。このようにベートーヴェン交響曲全曲視聴でもしていない限り敢て聴こうとは思わない曲であるが、やはり古典中の古典であるのはまちがいない。ヤルヴィはいつものごとく、音楽的でかつベートーヴェンらしいメリハリも欠けていない好演。やはり聴けば得るところはあるものだなあ。


メンデルスゾーンのピアノ・トリオ第二番 op.66 で、演奏はトリオ・ヴァンダラー。第一楽章を聴いていて「この気合の入った演奏は誰が演っているのだ」と思ったら、トリオ・ヴァンダラーだった。常設のトリオってのはなかなか報われないと思うが、頑張っているな。名曲名演でしょう。しかしメンデルスゾーンには駄作がないな。

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民進党の代表選が始まるが、経済政策に関するかぎりは前原・枝野ともにお話にならないようだ。上のリンク先で初めて知ったのだが、特に枝野氏は「利上げして景気回復」という、とんでもない持論の持ち主であるという。どうやら高校生レヴェルの経済常識もないらしい。このような人が仮に首相にでもなれば、日本が悲劇的状況に陥ることは自明である。
 それにしても、記事で田中氏が仰っているとおり、民進党に人気がないのは恐らくその経済政策に期待がもてないせいである。ネットを見ているとよくわかるが、若い人たちはそれこそネットからの知識で、基本的な経済的常識をもっている方が少なくない。たぶん民進党の支持者は、経済に無知な年配世代か、充分に裕福な人たちに限られるのではないか。僕は反自民反安倍なので、野党に投票先が存在しないのは大変に痛い。批判票として、共産党に投票するくらいしかないのである。方策は既に野党再編しかないが、それをまとめていける人材も払底している(もはやさすがに小沢一郎も政治力を失っている)。ねえ、パヨクはどうしたらよいのですか?

直木賞を受賞された佐藤正午さんの顔写真を新聞で見てびっくり。失礼ながら、じつにしょぼくれたおっさん、というかもはや初老の男性だった。しかしこの人、授賞式にも出ないし、インタビューは電話だし、相当の偏屈だなあ。でも、偏屈結構じゃないですか。エッセイ集(おもしろい!)しか読んだことはないのだが、「ブ」で廉価で購入した小説が一冊本棚にあるので、そのうち読んでみましょう。

仕事から帰って夕ごはんを食べながら報道ステーションを見ていたら、井上達夫先生が出ていて笑った。すげー早口でしゃべるしゃべる。ウワサ(?)どおり、最近はテレビにお出になるのだ。東大でいちばん優秀な部類の生徒が読むとウワサの、切れ味抜群の論理を操る法哲学の先生であらせられる。僕は二冊ほど読んだことがあるが、愚昧派のわたくしとしては必ずしも信奉しないけれども、とにかく論理の人で感銘を受けたことがある。しかし、テレビを見ていたらどうも(素人くさい論理の)増税派のようで意外だった。先生、経済学は勉強しておられないようだな。論理の人である筈だったのに、ちょっと先生らしくないのではないかと、素人のおっさんは思いましたよ。

僕は論理絶対の人ではない、というかその反対であるが、論理で詰められるところは徹底して論理で詰めるべきでしょう。その意味で、井上先生の仕事は参考になること多大だったのだが。やっぱりテレビってのは魔物なのかな。

図書館から借りてきた、阿部和重『プラスティック・ソウル』読了。阿部和重現代文学の最先端、か。おもしろかったけれど、面倒なものだな。僕は本書から500年くらい遅れている気がする。ドラッグも陰謀も、何かどうでもいい感じ。

プラスティック・ソウル

プラスティック・ソウル